『世界一ゆるい 聖書入門』ゆるく、ざっくり、親しむ聖書。
世界一ゆるい聖書入門は本当にゆるかった
今Twitterで人気沸騰中の上馬キリスト教会 (@kamiumach)さんが本を出しました。その名も『上馬キリスト教会の世界一ゆるい聖書入門』。話題につられ、読んでしまいました。
アカウント名は教会の名前ですが、中の人は牧師さんではなく、信者の方のようです。Twitterアカウントは人気ですし、私もフォローをしていてそのゆるさは知っていましたが、まさか書籍もこんなにゆるいなんて…。
一応「聖書入門」を謳っていますが、おそらく入門の「に」の字にもたどり着けないのではないでしょうか。悪い意味ではないですけど、良い意味でもありません。ただ、聖書って面白そうだなと思うきっかけには十分かなと。
ただ間違っても、キリスト教が面白い、ではありませんからご注意を(笑)。
聖書をちょろっと説明
キリスト教には聖書がふたつあります。ひとつは、ユダヤ教の教典である旧約聖書で、アダムとイブとか、モーセが海を割る話がでてきます。もうひとつはイエス=キリストの教えをまとめたもの。イエスと弟子たちのやり取りをまとめた形で、これが新約聖書です。なぜ二つあるかというと、本書では旧約聖書が厳しすぎたためだとしています。厳しすぎて約束が守れなかったところにイエスが来て、神と人間との間で契約を結びなおしたから「新約」聖書なんだとか。
民法の更改のようなものでしょうか。従前の債務が消滅するのかはわかりませんけども。あるいは大乗仏教、小乗仏教のような違い?ユダヤ教は多くの人が守れなかった旧約聖書を唯一の教典としているので、とても厳しい宗教なのでしょうね。
本書はこの旧約聖書、新約聖書、両方について取り扱っています。
聖人たちも結局「人」だった
旧約聖書も新約聖書も、多くの登場人物、使徒が登場します。いずれも一般人が知っているのは、海を割ったり箱舟を作ったり、神の言葉を告げる預言者だったり、最後の晩餐に描かれる12人の高弟だったり、いわゆる聖人たちです。
本書ではこの聖人たちがどのような人たちだったのか紹介するのですが、これがまた面白い。意図的にそういう箇所を抜き出してしまえば、「え?」という部分は沢山出てくるものでしょうけれど、聖人も結局は「人」なんだなぁと。怒りっぽい人、酒乱な人、ナルシスト、意外と私たちとかわらなかったりして…。
まとめ的なもの
あまりにゆるすぎて、キリスト教のこと、聖書のこと、ちゃんとわかった気はまったくしません(笑)。でもそれは本書冒頭にもある通り。
キリスト教を「理解する」ためには他のもっとまじめな本を読んでいただく必要がございます。
この本の目的は、あくまで「親しんでもらうこと」にあるそうです。そういう意味では、小難しそうな聖書も登場する聖人も、突っ込みどころが満載で、意外と面白そうだなと思いました。信じるかどうかはひとまずおいておいて、キリスト教、聖書というもののハードルを下げるのには一役買っていますね。
聖書も『パルプ・フィクション』のジュールスのように決め台詞として使えるとカッコいいんですけどね~。
またいずれ、機会があって興味が湧けば、聖書をちゃんと読んでみようと思います(笑)。