今月の読書、まとめ的なもの。~2019年1月~
2019年1月の読書、まとめ的なもの。
身になった本難しかった本、色々とありますが、一ヶ月分をヒトコメで振り返ります。
- 吉田松陰(童門冬二)
- 劣化するオッサン社会の処方箋
- 家康、江戸を建てる
- 人生を動かす賢者の名言
- ゼロヒャク教科書
- 世界のエリートはなぜ「美意識を」鍛えるのか?
- サピエンス全史(上下)
- 世界一ゆるい聖書入門
- 日本進化論
- 日経大予測2019 これからの日本の論点
- 世界を変えるSTEAM人材
- アンガーマネジメント入門
- あなたの知らない脳
- 1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
- サブスクリプション
- その他
- まとめ的なもの
吉田松陰(童門冬二)
2019年一発目はこれ、小説吉田松陰。吉田松陰を書いた小説は沢山ありますが、童門冬二さんも書いています。
野山獄の場面がとても長いのですが、この時期があっての松下村塾。人物描写も人間味あふれ、魅力的に描かれています。小説ですが、ドキュメンタリー的で、途中に何度も吉田松陰の人物像を理解するための考察が入ります。
その純粋さゆえに、最後は過激な道、破滅的な道を自ら歩んでしまいますが、その後の日本に与えた影響は計り知れませんね。
劣化するオッサン社会の処方箋
NewsPicksの特集とタイアップした新書。かなりセンセーショナルなタイトルですが、良薬口に苦しということで、自らを振り返りながら読みました。
こういう人会社にいるよね!とうなずきながらも、自分もそういう振舞いをしてしまうことってあるんじゃないか?と、ぎくりぎくりと思いながら読みました。
まだまだオッサンという年齢ではないですが、中身がオッサンにならないために何ができるのか、本書はとても参考になります。
劣化するオッサン社会の処方箋 なぜ一流は三流に牛耳られるのか (光文社新書)
- 作者: 山口周
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2018/09/13
- メディア: 新書
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家康、江戸を建てる
正月三が日にテレビでも放映されましたね。私は録画に失敗したために見ることができませんでしたが…。
小説タイトルを見ると家康が主役のように思えますが、読んでみると、ほとんど家康は出てきません。主役は現場リーダーでしょうか。江戸という都市は、世界的に見ても人口、インフラ、教育等、多くの面で抜きんでていました。その世界的な都市の基礎が、どのようにして作り上げられたのか。現場視点で描かれています。サラリーマンとしては共感する場面の多い小説です。
人生を動かす賢者の名言
名言は大好きです。偉大なことを成し遂げた人の言葉には重みがあります。その人の価値観、美意識、マインドセット、そういったものが見えてきて、短い言葉の中に、人生の教訓が詰まっています。
あらゆる分野の方の言葉が集められているので、あなたの尊敬している人の言葉も見つかるかもしれません。私が好きなのはイチローの言葉、「 小さいことを重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道だ」です。
ゼロヒャク教科書
略しましたが、正式には『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書』、通称ゼロヒャク教科書です。
こんなに長いタイトルの本は初めてですし、せっかくなのでエントリータイトルには本書タイトルを略さずに入れてみました。
100才まで~というのは『LIFE SHIFT』の人生100年時代を意識してのものですね。一生涯学び続け、楽しんで働けるようになりたいものです。
リカレント教育というと、古くなった知識スキルをインストールしなおす、つまり一時的なものと捉えがちです。私はそうは思わず、せっかくリカレント教育で学びなおす機会を得たのなら、そのまま継続して一生涯学び続ける習慣を付けられたら良いなと思います。
もちろん、学校のお勉強ではないので、自分で必要と思うこと、楽しめることを学んでいけばいいのです。
0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書
- 作者: 落合陽一
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2018/11/29
- メディア: Kindle版
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世界のエリートはなぜ「美意識を」鍛えるのか?
美意識、言い換えると価値観、判断基準、マインドセット、コンパス。ですが、本書であえて「美意識」といっているのは、まさにアートを学べということなんですね。
サイエンスという技術を適切に使いこなすには、ロジカルシンキングもよいけれど、アートな感覚、直観力も大事。
特にVUCAと言われる複雑怪奇なご時世では、論理力よりも鍛えられた直観力、美意識による意思決定こそが、勝ち抜いていくための武器になるんですね。
世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)
- 作者: 山口周
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/07/19
- メディア: 新書
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サピエンス全史(上下)
長いこと読みたいとの思いを温めてきましたが、高まる期待にしっかりと答えてくれる本でした。
人類の文明の構造とは、「虚構」。この二文字が上下巻通して重要なテーマです。宗教、社会、貨幣、経済、多くの虚構を気付き上げることで繁栄した人類。
種の繁栄という意味で言えば大勝利ですが、それにより個々の人類は幸福を得たのか。歴史の事象の積み重ねだけでなく、より深い部分へアプローチし、読者に考える機会を与えてくれます。
世界一ゆるい聖書入門
Twitterで人気の上馬キリスト教会の信者が書く、世界一ゆるい入門書。
この本ではキリスト教のことをちゃんとは理解できません。これは書中でもことわりが入っています。ちゃんとわかりたかったら、ちゃんとした入門書を読んでね、と。
旧約聖書、新約聖書の登場人物たちを面白おかしく紹介し、キリスト教入門に興味を持つ、というところまで持っていけたなら、本書は十分役目を果たしたと言えるでしょう。
面白い本でしたが、ゆるすぎ!!
日本進化論
今年もハイペースで著書を出していくのでしょうか。新年一発目は総論的なもの。昨年も『日本再興戦略』がそのような感じでしたが、年初はこういうものが良いですね。各論深掘りの前に目次的に並べてみたい。
ポリテック、政治にもテクノロジーを。先日衆議院で、タブレットに表示した原稿を読もうとしたところ「前例がない」と拒否されたというニュースがありました。そのような思考停止した方が政治家をやっているようでは、日本は失われた40年、50年もあり得ます。新しいものを受け入れられない政治家は全く必要ありませんね。
政治家も政策も、アップデートを。
日経大予測2019 これからの日本の論点
金融、経済、政治、国際、そんな堅苦しい論点で、2019年を大予測します。それぞれの論点をそれぞれの専門家が執筆されているので、とても詳しく、そしてわかりやすく書かれています。
似たようなものは朝日や文芸春秋でも出ていますが、どれでもよいので一冊読んでおくと、この一年の日本の論点が、文脈として見えてくると思います。
世界を変えるSTEAM人材
最近何かと話題のSTEAM教育、その教育を受けて育った人材がSTEAM人材。既に多くのSTEAM人材がシリコンバレーでは活躍しています。
この教育の大きな特徴としては、サイエンス科目の中に人文系のアートが入っていること。サイエンスを使いこなすためにアートを身に付ける。
これは先に紹介した山口周さんの『世界のエリートはなぜ「美意識を」鍛えるのか?』にも共通するものですね。
色々な本で、記事で、アートの教養を身に付けることが推奨されています。アート自体は楽しめるもののはずなので、流行りに乗っかってみるのも悪くないですね。
世界を変えるSTEAM人材 シリコンバレー「デザイン思考」の核心 (朝日新書)
- 作者: ヤング吉原麻里子,木島里江
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2019/01/11
- メディア: 新書
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アンガーマネジメント入門
回転スピードの速い現代という世の中、多くの人がストレスを抱えてイライラしています。時には怒りを爆発させてしまい、その後自己嫌悪に…。
アンガーマネジメントはそんな現代人には必須の自己管理ツールなのかもしれません。怒りっぽい人は是非一度読んで、怒りをコントロールし、怒りとうまく付き合う術を学んでみてはいかがでしょうか。
怒りは負の感情ですが、捨て去ることはできません。無理に押さえつけるんじゃなくて、コントロールして付き合っていくことが大事ですね。
あなたの知らない脳
人は思っているほど意識的に生きられていない。というか、意識はほとんど行動に反映されていない。そんな驚くべき事実が書かれています。
人類は多くのことを発見してきましたし、それを組み合わせて、つい一世紀前には思いもつかなかったような高度なテクノロジーを創り出してきました。そんな人類でも、脳のことはまだまだ知られていません。しかも、脳をこんなにも意識的に使えていないとは…。
そして話は脳の科学の話から、哲学、社会学へと広がります。単に専門外の読者を脳科学へいざなうだけでなく、社会問題の定期にまで至るところが本書の面白いところ。
あなたの知らない脳──意識は傍観者である (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
- 作者: デイヴィッド・イーグルマン,大田直子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2016/09/08
- メディア: 文庫
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1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
長かった…365日かけては読みませんでしたが、長かった…。ついに読了です。
なかなかつらい旅ではありましたが、概ね楽しんで読むことができました。自分の好奇心の向く先が見えてきましたし、苦手な分野、知らないこと、いろいろと見えてきて、よいきっかけになりました。
日本でもロングセラーになっているようですが、価格も高くないですし、一冊身近に置いておくとよいと思います。
www.co-idealblog.com
- 作者: デイヴィッド・S・キダー,ノア・D・オッペンハイム,小林朋則
- 出版社/メーカー: 文響社
- 発売日: 2018/04/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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サブスクリプション
現代版定額課金。従来の定額課金はただの固定料金前払い。現代の定額課金はサブスクリプションが持つ機能のうちの一つ。しかもまったくメインではない。
インターネット、クラウド技術により、ビジネスモデルを創り変えるほどのインパクトを持つマーケティング概念に進化しました。
しかもIT業界だけでなく、あらゆる業界でこの概念を取り込んだビジネスモデルが生まれています。本書第一部では、多くの業界でサブスクリプションを導入した成果が紹介されています。
あなたの会社でも、サブスク化できるものがあるんじゃないでしょうか。一度考えてみると面白いかもしれません。本書第二部では、会社でサブスクリプションを導入する際の手順、オペレーションについて書かれており、きっとその助けになると思います。
サブスクリプション――「顧客の成功」が収益を生む新時代のビジネスモデル
- 作者: ティエン・ツォ,ゲイブ・ワイザート,桑野順一郎,御立英史
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2018/10/25
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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その他
その他、以下の本を含めて22冊読みました。
まとめ的なもの
もう少し読めた気がしますが、年始はなかなか仕事も忙しく、思いのほか時間が取れませんでした。それでも22冊を読むことができました。20冊を超えていれば十分ですね。
そろそろ『利己的な遺伝子』にチャレンジしようと思いつつ、あの厚さはなかなか…。何よりも、あの厚さは鞄に入れて持ち運ぶのがつらいんですよね。
少し溜まりつつある実務系の本もこなしていきたいですが、『サピエンス全史』の続きの『ホモ・デウス』も気になっております。
さて2月は何を読んでいきましょうか。楽しい悩みです。