サラリーマン行政書士の読書日記

本ブログは、サラリーマン行政書士である私が、本業、副業、中小企業診断士に挑戦若しくは奮闘する様及び読書記録を綴るブログです。



「日本企業の少し未来の働き方」イノベーションを興す組織作り。

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講演会に参加してから時間経過してしまいましたね…。

 

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後日、二回に分けて、などと言いながら他のエントリーにかまけておりました。

頭から抜け落ちていく前に、そろそろ書き留めておこうと思います。

 

二回に分ける、というのは、この講演会でお二人が登壇されたから。

そして、お二人とも目からウロコが何枚も落ちるようなお話だったから。

 

まずはお一人目の登壇者、埼玉大学大学院、人文社会科学研究科准教授の宇田川元一先生です。

 

本講演はスライドの写真撮影もOKとのことでしたので、内容に触れない部分のみ、公開したいと思います。

 

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テーマは「組織の中からイノベーションを興すには?~机上の空論にならないイノベーションの実践とは~」

 

イノベーションを生み出すための組織作り、そして組織は人。

人と人とのコミュニケーションのありかたを再考し、よりよくすることで、イノベーションを生み出す土壌を作ることがでる、というお話。

 

技術的なお話は割合としては少なめです。

 

バーゲルマンやクリステンセンから引用しながら、一度成功してしまった企業には既存の市場、顧客があって、新しいことをやる合理的な理由がないという話。

 

ゼロックスはぜAdobeをスピンアウトさせてしまったのか。

それはゼロックスは複合機、光学機器メーカーとして成功しており、新しいことに力を入れていく合理的な理由がなかったから。

 

そのような事例の後で、「イノベーションとは今あるルーティンの活かし方を変える」ことだ、と。

 

企業の中のリソースがある日ごそっと入れ替わってしまうことなどありえません。

それでもある時イノベーションは起こるわけです。

なぜでしょうか。

 

ラディカルイノベーションという言葉があります。

ラディカルとは、破壊という意味です。

ですが、実際のところイノベーションは、破壊どころか新結合なのです。

旧いものと、まだ見ぬ新しいものを橋渡しし、結合する。

そこには、ルーティンの活かし方を変え、よりよく回す、という発想が必要になります。

 

ここからが、組織の中から興す~という話になります。

 

リーダーシップというテーマの中で、アダプティブリーダーシップという概念があります。

宇田川先生は、このリーダーシップこそが、現代において求められているとおっしゃっていました。

 

アダプティブリーダーシップというものを調べてみたところ、このリーダーには、

  • ナビゲート
  • 共感
  • 自己修正
  • Win-Win

という特性が備わっているとのことです。

この四つの特性を見ると、力ではなく、寄り添って、思いやるリーダー像が容易に思い浮かびます。

ルーティンを活かすには、他人との協業が必要です。

そしてそのために求められるのが、アダプティブリーダーシップというわけですね。

 

そして、そういったリーダーは、他者との対話を深めます。

対話について、多くの人が思い違いをしています。

宇田川先生が実際に受けた質問と、それに対する答えが以下の通り。

 

質問

  1. 話し合う場が必要と思いワークショップを開いたが、その場では盛り上がったものの、本当に話し合うべきことを話し合えていない。どうしたらよいか?
  2. チーム内での連携が必要と思い提案したが、「不要」と言われてしまった。どうしたらよいか?
  3. 上司が提案を受け入れてくれない。上司が変わらなければ組織は変わらないのでは?

 

答え

  1. どうしたらいいかわからなくて困っていると、素直に打ち明けてみては?
  2. 相手の大切にしているものを無理に変えさせようとしては駄目。接点を見つけることが必要。誰でも否定されることには抵抗する。
  3. この提案で、上司に生じる痛みは何?恐れはなに?

 

質問された方は、対話をしなければという気持ちは見受けられるものの、実際に取った行動は対話ではありませんでした。

こちらの胸の内をさらけ出さずに、自分の正義を押し付けて、相手のことを思いやれずに、それでは対話とは言えませんね。

 

私は今、「3」にどんぴしゃにはまっていて、聞きながら思い切り苦笑いしてしまいました…。

自分が正しい!と思っても、それを主張しているだけでは誰も受け入れてくれません。

相手が受け入れてくれない時、その障害となっているものはなんなのか。

考えて、見出して、一つ一つ取り除いてあげなければ。

 

私にとっても、「○○を導入したい」のであれば、その上司が障害になっていて、それを取り除くには、上司が障害に思っていることを取り除く必要がある、ということです。

 

問題解決はゴリ押し、自分の正義を主張するだけではなしえません。

ロゴスとエトスとパトス、どれが欠けてもいけないのです。

 

こうして対話的なリーダーの下、イノベーションが起きやすくなっていくのですね。

 

最後に、スライドと講演の中で紹介されていた宇田川先生の記事のリンクを。

 

記事はなかなか読み応えがあります。

スライドはメアリー・パーカー・フォレットという哲学者の言葉。

ドラッカーにも影響を与えた方だそうです。

ぐさっときます。

 

それではまた。

 

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