『the four GAFA』四騎士による創生と破壊。
『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』、発売当初から気になっていたタイトルです。
ただ、ちょうど中小企業診断士試験に対して重い腰を上げたところでもあったので、読むのを我慢してきました。
試験が終わってすぐに!と思ったのですが、なんとなく読まずに積読しておりました。
読んだのは先月、エントリーも書こう書こうと思いながらズルズル、いや、ここでは暖めてきたと言っておきましょう。
GAFAとは?
GAFA、いずれも私たちの生活になじみ深い会社の頭文字です。
今更言わずもがな、ですが、一応何の頭文字なのか紹介しておきます。
G…Google
A…Apple
F…Facebook
A…Amazon
これらの頭文字をとってGAFAです。
これにMicrosoftを加えて、GAFMAなんてのもありますね。
また、Appleを省いてNetfrixを加えたFANG、これにnvidiaを加えたFANNGとか。
探したらこの手のものは腐るほどありそうですね(笑)
様々な呼び方がありますが、今最もインパクトのある企業としては、この四社に決まりでしょう。
四騎士とは?
GAFAは分かった、でも四騎士ってカッコつけすぎじゃない?
いや、この「四騎士」というのは、黙示録の四騎士の比喩なのです。
騎士というと、何か正義だとか神聖といったイメージを持つかもしれませんが、この四騎士は全く違います。
そもそも黙示録とは、「ヨハネの黙示録」のことで、世界の終末を予言したものです。
終末に現れる騎士というと、いよいよ世界を救ってくれそうだなと思いますが、そうではありません。
世界を救うどころか、それぞれ「支配」、「戦争」、「飢饉」、「疫病」を司るのがこの四騎士。
彼らが通った後にはぺんぺん草も生えないでしょうね…。
GAFAによる創生と破壊
本書はGAFAそれぞれの功績を挙げ連ね、こんなにすごい企業なんだよ!というものではありません。
とりあえず一通りの功績を挙げながらも、GAFAによる破壊の側面が、熱心に繰り返されています。
タイトルの通り、GAFAの四社は黙示録の四騎士、人類にとっては災厄だと言わんばかり。
今、これら四社がなくなったら、困る人は多くいます。
Google先生は文句ひとつ言わずに何でも瞬時に調べ上げてくれます。
スマートでカッコいいApple製品は、ユーザーの所有欲を満たすのみならず、信仰の対象にすらなっています。
Facebookによって友人知人の近況を知り、「いいね」し合うことで繋がりを感じられます。
エブリシングストアAmazonのおかげで、なんでも自宅にいながら買うことができます。
我々は、今この四社がなくなれば、ものすごく不便を強いられます。
おそらくそんな生活考えられないし、耐えられないでしょう。
でも、手放しでサービスを受け入れていて本当によいものなのか。
もはや知らぬ間に、でもないですが、意図せずにいろいろなものを捧げていたり、コントロールされたり、既存の市場を破壊して成り立っている側面もあるのです。
必ずしも良い側面ばかりではないよと、教えてくれているのが『the four GAFA』なのです。
とはいえ、本書は手放しにGAFA四社を批判するものでもありません。
タイトルの『創り変えた世界』にも、旧来のものを一掃しつつも、新たなフィールドを創生したんだという思いが込められているように思います。
まとめ的なもの
個人的には、データ重視でよりビジネス書的な内容を期待していましたが、どちらかというと読み物的です。
Appleなど、「異性にもてるため」に所有するといったレッテルを何度も貼られていますし、良く言えば読みやすく、悪く言えば俗っぽい、そんな本でしたね。
正直なところ、ちょっと不足感が否めません。
また、Amazonについてはもっと知りたいので、成毛さんの「amazon 世界最先端の戦略がわかる」を、成毛さんオススメのブックタワーに忍ばせておこうかと思います。
繰り返しになりますが、読み物色が強いおかげで厚さの割にさくさく読むことができます。
GAFAがどんな企業なのか、ザックリ掴んでおきたい方は、さらっと目を通しておくことをオススメします。