サラリーマン行政書士の読書日記

本ブログは、サラリーマン行政書士である私が、本業、副業、中小企業診断士に挑戦若しくは奮闘する様及び読書記録を綴るブログです。



落合陽一の『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書』通称ゼロヒャク教科書から学ぶ人生100年時代の学び方。

ゼロヒャク教科書

日本史上最も長いタイトルの本(たぶん)

表紙を隅から隅までタイトルで埋める本。文字数なんと43文字!こんな本、初めて見ました。落合陽一の『0才から100才まで学び続けなくてはならない時代を生きる学ぶ人と育てる人のための教科書』、通称『ゼロヒャク教科書』です。

ゼロヒャク教科書

最初から『ゼロヒャク教科書』として、「はじめに」の中で何の略称なのか説明してもよかったのではとも思いましたが。でもこのタイトルはインパクトがありますし、略称の『ゼロヒャク教科書』もキャッチ―でよいですよね。

私もそのまま長いタイトルを使わせていただきました(笑)。本書も、本エントリーも、もしかしたら史上最も長いタイトル?少なくともB'zの「愛のままにわがままに、僕は君だけを傷つけない」を越えていることは間違いありません。SEO的にはアウトですね。

大人が間違いに気付く本

可愛らしい表紙ですし、子供とお母さんらしきアイコンがあって「学ぶ人」と「育てる人」とあります。この表紙から、子供向け、お母さん向けかなと思って読んでみると、そうでもありません。

0才から100才まで学び続けなくてはならないのは、もちろん子供だけではなく、20歳を過ぎた大人も対象です。あえて言うならば、既に定年を迎えている方で、もうリタイアを決め込んでいる方は対象から外れるでしょうか。

LIFE SHIFT(ライフ・シフト)』で言うところの3ステージで過不足なく人生を終えられる方は、無理に学ぶ必要もないのかもしれません。もちろん、定年後には本当にやりたいことをやる!と決めている方であれば、きっとこの『ゼロヒャク教科書』からヒントを見つけることができるはず。

落合陽一×堀江貴文というコンビの著書、『10年後の仕事図鑑』を読んだときにも感じました。この本も、落合先生は高校生くらいをターゲットと仰っていましたが、著者が想定しているターゲット以外であっても、何かを得ようという気持ちがあれば、いくらでも学びを得ることができます。

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特に落合陽一×堀江貴文という組み合わせは、読者にとっては刺激が強い。Twitter上では炎上したり論争になっている(お二人はそう思っていないかもですが)のをよく見かけますが、その分、発言にポジティブに向き合えば、突き刺さる言葉は多いのです。

落合陽一のつくりかた

『ゼロヒャク教科書』第2章では、落合先生の幼少時代から現在に至るまで、どんな学び方をしてきたかが書かれています。これはNewsPicksの動画コンテンツ、Weekly Ochiaiでも取り上げられていましたね。

newspicks.com

まぁ、同じようにやったからといって、落合先生のように育つかと言ったら何とも言えませんが。落合先生のご両親が与えた環境だけでなく、幼少時代の落合陽一の好奇心があってこそ、今の落合先生があるわけですから。

でも、色んなものを分解しても怒られなかったという家庭環境は、子どもの好奇心に蓋をしないということで、とても重要なことだと思います。これはどの家庭でも参考になりそうですね。

仕事でも、あれやれこれやれと1から10まで指示するよりも、部下の自主性に任せた方がよいですよね。もちろん失敗もしますが、それは成功するために必要な過程ですし、仕事に主体的に取り組むためには、裁量を与えてやるのが一番です。

失敗と言えば、落合先生も受験には失敗していたのですね。でも、東大に落ちて筑波に行くことになったというのは、失敗と言っていいのかどうなのかわかりませんが(笑)。

ゼロヒャク教科書は、ビジネスにも転用できる考え方が満載です。元々、なぜ0才から100才まで学び続けなくてはならないのかと言えば、人生100年時代で、働き方を考えていかなくてはならないからです。

ですから、ゼロヒャク教科書は子供から大人まで、これからの時代にどう働くか、そのために何をどう学ぶか、ということが書かれているのです。

STEAM教育という学び方

第3章ではSTEAM教育にも触れられています。STEAM教育とは科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、アート(Art)、数学(Mathematics)の頭文字をとったものです。元はSTEMだったのが、Artが加わりSTEAMになりました。

分かりやすく言えば、STEMは理系で、そこにアートという文系を取り込んだということになりますね。

落合先生は『ゼロヒャク教科書』の中だけでなく、普段から文系、理系という二元論で物事を考えることに反対されているので、あまりこの例えはよくないのかもしれませんが、分かりやすく言うと、ということで。

今の世の中は、基本的にはテクノロジードリブン、理系が力を発揮する世の中ですが、美意識、哲学といったものが根底にないと、本当に良いものを作ることはできません。

STEAM教育については、『世界を変えるSTEAM人材 シリコンバレー「デザイン思考」の核心』に詳しく書かれています。シリコンバレーでもSTEAM教育を受けた人材の評価が、大いに高まっているそうです。日本ではまだまだ聞きなれない言葉ですが、アクティブラーニングやEdTechに続く、教育業界のバズワードになりそうですね。

まとめ的なもの

『ゼロヒャク教科書』書中のコラムに「標準化・均質化された<近代>を乗り越える」というものがあります。ここでも脱近代、いつものテーマです。近代というのはあらゆる面で標準化・均質化し、それによって生産効率を高めてきました。日本も高度成長期はそれが最適解だったのかもしれませんが、今はそういう時代ではありません。

年始に出版された『日本進化論』では、今の日本を取り巻くいくつかの問題にスポットを当て、脱近代論が展開されています。

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そんな中、教育にスポットを当てて脱近代を論じたのが本書、『ゼロヒャク教科書』です。失われた30年、平成が終わろうとしている今こそ、あらゆる面で脱近代を考えていかなければなりませんが、新しい元号、新しい時代を生きていくマインドセットを作り上げるために、まずは教育、学びをアップデートしていかなければなりませんね。

 

 

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