今月の読書、まとめ的なもの。~2018年12月~
2018年12月の読書、まとめ的なもの。
身になった本難しかった本、色々とありますが、一ヶ月分をヒトコメで振り返ります。
- 50(フィフティ) いまの経済をつくったモノ
- 脱近代宣言
- ミュシャのすべて
- アクティブラーニング入門
- 世界でいちばん素敵な西洋美術の教室 (世界でいちばん素敵な教室)
- 雇用・利子および貨幣の一般理論(まんがで読破)
- コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった
- 残念な相続
- 元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法
- 働きアリからの脱出: 個人で始める働き方改革
- 増補版 大人のための国語ゼミ
- 10年後の仕事図鑑
- 戦場の田中角栄
- 田中角栄100の言葉
- クリスマスを探偵と
- 誰にもわかるハイデガー
- メモの魔力
- 100分de名著 ハンナ・アーレント『全体主義の起源』
- メンタリズムの罠
- ニッポン2021-2050 データから構想を生み出す教養と思考法
- その他
50(フィフティ) いまの経済をつくったモノ
いまの経済は複雑怪奇。様々な発明が相互作用しあって成り立っています。その中でも中核をなす発明のうち、50(フィフティ)を抜粋して紹介した書籍。発明も人の知識も、単独では効果を最大化することはできず、その前後の発明と繋がることで、経済にとってより大きな効果を生み出します。
脱近代宣言
難解、ひたすら難解でした…。日本の脱近代を考える三人による鼎談。対談鼎談というのは会話形式ですので、専門用語も少なく、比較的読みやすいものだという認識を持っていましたが、脆くも打ち砕かれました。
三人の指向性が同じだと、専門用語を平易な言葉に直す必要がないし、比喩、隠喩もちゃんと脳内変換されるため、一人語りの書籍よりもより難解な言葉が飛び交います。
落合先生の『魔法の世紀』、『デジタルネイチャー』を読み直してからリベンジしたいと思います。
ミュシャのすべて
以前からアートにも手を広げたいなと思っていたので。今話題のフェルメールやムンクもよいのですが、直感的な「好き」を信じてミュシャの文庫本絵画集を買いました。先月はクリムトを見ましたが、引き続いて~ですね。
まだまだ何も語れませんが、芸術家本人の背景を知ると、作品の見方も変わってきますね。
アクティブラーニング入門
私は教育者でも何でもありませんが、アクティブラーニングというものには興味があり、読んでみました。アクティブラーニングという技法はなにも学校の場でのみ有効なものではなく、会社の新人教育、集合研修でも同じだと思います。もっと個別に、部下への指導というOJTとしても力を発揮する考え方なんじゃないかと。
まずは入門、またもう少し深めのものも読んでみるつもりです。
アクティブラーニング入門 (アクティブラーニングが授業と生徒を変える)
- 作者: 小林昭文
- 出版社/メーカー: 産業能率大学出版部
- 発売日: 2015/04/25
- メディア: 単行本
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世界でいちばん素敵な西洋美術の教室 (世界でいちばん素敵な教室)
これもミュシャ、クリムトの流れで購入しました。単純に知識教養としてのアートだけが目的ではありません。時代背景を知ることでアート、文化の文脈も理解が深まります。文化の文脈を知るということは、日本と他の国々の違いについて寛容になったり、理解を促進する助けになるのではと考えています。
世界でいちばん素敵な西洋美術の教室 (世界でいちばん素敵な教室)
- 作者: 永井龍之介
- 出版社/メーカー: 三才ブックス
- 発売日: 2018/10/04
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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雇用・利子および貨幣の一般理論(まんがで読破)
活字のものだととても厚くて、長くて、難解です。大まかにエッセンスを掴むには、マンガというのはとても良い方法だと思います。消費が経済を動かすという理論は、今の日本ではよく考えなければならないことですね。なんでも安く買いたいというのは消費者心理ですが、それが企業の利益減少、従業員の給与減少、消費力減少、というデフレスパイラルに繋がる。もちろんことはそう単純ではありませんが。
コンテナ物語―世界を変えたのは「箱」の発明だった
『50いまの経済をつくったモノ』の中でも紹介されているコンテナの物語を、まるまる一冊かけて紹介しています。ただ、コンテナという箱そのものの発明の物語ではありません。コンテナが世に出るために、コンテナを取り巻く様々な問題をどう解決していったか、という物語です。非常に泥臭い話で、現代の我々にも大きな学びがある物語です。
残念な相続
業務関連知識補充シリーズ。直接的には税理士の仕事ですが、自分に知識がなければ適切に仕事を引き継ぐこともできません。またこのような一般向けの書籍に書かれていることくらいは頭に入れておかなければ、いざ実務をという機会があっても、掴み損ねることも。その時に備えて、着々と。
元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法
心理学にはかなり興味があります。心を支配するなんていうとマインドコントロールのように思われるかもしれませんが、少し違います。人間は心の機微に応じて、自分では気づかないようなしぐさをしているものです。どういった時にそのしぐさ、反応がでるのかを知っていると、なんらかの対処ができますよね。
また、相手への伝わり方は、必ずしも自分の思っていたようにはならないもの。それを少しでも自分の伝えたい方向に導くことは、お互いにとっても悪くないことだと思います。
働きアリからの脱出: 個人で始める働き方改革
著者は元マイクロソフトの執行役員である越川さん。マイクロソフト時代のプレゼン動画を見てファンになりました。自社アプリケーションの宣伝ではありますが、ITを駆使した働き方はスマートで参考になります。
越川さんは、ITも、働き方改革も、手段だと言います。これには大賛成で、しっかりとしたビジョン、なりたい将来像があって、それを実現するためのIT、働き方改革ですね。
働き方改革も、自分事で考えられなければ、働きアリから脱出する手段ににはなりえません。
増補版 大人のための国語ゼミ
大人の「国語」のやり直し。子どもじゃあるまいし、国語なんて大人がやるもの?と思うなかれ。会社のメールを見れば、国語を使えていない大人の多いことにはすぐに気付くはずです。新人若手のみならず、いつも偉そうな上司から来たメールが、「この文章、何を言いたいの?」ということはざらにあります。もしかすると、自分も…。という自戒を込めて、読みました。
10年後の仕事図鑑
堀江貴文×落合陽一という時代の寵児の合作です。デジタルネイチャーのような専門的な内容ではなく、中高生向けのものですので、読みやすいです。ただ、思考が固くなりがちな大人が読むと、よい具合に頭がほぐされる本だなと思いました。
二人の考え方の違いに注目して読んでも面白いと思います。
戦場の田中角栄
2018年は田中角栄生誕100周年。もう2019年ですが…。戦後日本で最も人気を得た首相であることは間違いないし、典型的なリーダーシップを発揮したケーススタディとしても、非常に得るものがある人物だと思います。
田中角栄100の言葉
上記のようなリーダーシップを発揮した田中角栄の名言集。田中角栄を生で知らない世代にとっては、田中角栄の人となりをよりリアルに感じるためのよい手段だと思います。
何かを成し遂げた人物の生の言葉というのは、その言葉の背景に何があるかということを考えさせられます。また、その言葉を自分や今置かれている状況に置き換えて考えることで、現状打破に結び付くアイデアが生まれることもあるのではないでしょうか。
クリスマスを探偵と
伊坂幸太郎の小説であり、それを基にした絵本です。私が読んだのは小説の方。本作品の基となるものを書いたのは大学時代だそうで、その後大幅修正したのちに世に出たのが『クリスマスを探偵と』になります。
大幅に手を加えたものの、初期の作品だからなのか、いつもの血生臭さはありません。それでも最後まで読むと、やはり伊坂幸太郎だなと思わせる作品に仕上がっています。
誰にもわかるハイデガー
哲学はやり始めたら一生かかっても答えが出るかわかりませんね。ですから、なんとかエッセンスのみ抽出して、役立つ部分だけつまみ食いしたいというのが本音。そんな需要にこたえてくれる(?)のが本書。
実際これだけでハイデガーを理解できるわけはありませんが、限られた紙面の中で、しっかりとエッセンスを抽出してくれています。
メモの魔力
NewsPicksでおなじみのSHOWROOM前田裕二社長の新刊です。以前から前田社長はメモ魔として有名でしたが、ついに「メモ」について書かれた本を出してしまいました。ただのノウハウ本ではなく、人生をよりよくしていくためのメモ論が展開されています。自己分析1,000本ノックは圧巻。時間をかけて取り組んでいきたいです。
メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)
- 作者: 前田裕二
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2018/12/24
- メディア: 単行本
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100分de名著 ハンナ・アーレント『全体主義の起源』
100分de名著、NHKでやっている番組のテキストです。名著が100ページくらいにまとめられていて、さらっと概要を知るにはちょうど良いボリューム。100ページと言ってもちゃんと講師の方がまとめてくださっているので、決して薄っぺらくない。これからもこのシリーズは利用していきたいです。
タイトルとなっている『全体主義の起源』も気になるところですが、テキスト4章で取り上げられている『エルサレムのアイヒマン』のほうが気になりました。人間はそのものが悪ではなく、思考を停止したところに入り込んでくる。だから人間は思考を停止してはならず、自分の意志、考えをしっかりと持たなければならない。
ハンナ・アーレント『全体主義の起原』 2017年9月 (100分 de 名著)
- 作者: 仲正昌樹
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2017/08/25
- メディア: ムック
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メンタリズムの罠
メンタリストDaiGoによる翻訳。彼自身もたくさんの著書がありますが、翻訳もやっていたとは。手品、催眠術、NLP、記憶述、宗教等、様々なテーマを取り上げます。著者のやや冗長な文章が気にならなければ、とても楽しめます。とても厚い本なのですが、その章の本筋にたどり着くまでの長いこと…。
記憶術の章にあった記憶の宮殿は、以前読んだ本にも紹介されていて、一度挑戦したことはあります。確かに覚えられるのですが、ちゃんと習慣に組み込めなかったのでいつの間にかやめてしまいました…。覚えればとても使えるスキルなので、またしっかりと取り組んでみたいと思います。
ニッポン2021-2050 データから構想を生み出す教養と思考法
猪瀬直樹×落合陽一。これも『10年後の仕事図鑑』と同じで、リレー形式で書かれています。落合先生の文章をうけて、猪瀬さんが、猪瀬さんの文章をうけて、落合先生が、これからの日本の描いていく。やはり課題先進国日本をテクノロジー駆動でアップデートしていく、これはいつもと変わらないテーマですね。日本の原風景がドラえもんというのも妙に納得。この原風景をどうアップデートしていくか、我々ひとりひとりがしっかりと考えていかなければいけないことですね。
ニッポン2021-2050 データから構想を生み出す教養と思考法
- 作者: 落合陽一,猪瀬直樹
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/10/31
- メディア: 単行本
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その他
そのほか、以下の本を含めて27冊読みました。
カント『永遠平和のために』 2016年8月 (100分 de 名著)
スピノザ『エチカ』 2018年12月 (100分 de 名著)
100分de名著シリーズ、まんがで読破シリーズなどは、あまり時間をかけずに読めて、難しいところは平易に要約してあって、とても助かります。本を読むのは役立つ知識を身に付けたいからなので、うまくエッセンスを抽出した本で効率よく学ぶのも一つの手ですね。これからもどんどん取り入れていきたいと思います。
さて2019年に入って、新たな気持ちで読書をすすめていきたいと思います。