「今」を見つめ直すための『10年後の仕事図鑑』
Monthly Ochiai
最近、落合陽一関連書籍がハイペースで出版されています。NewsPicksでは毎週、動画コンテンツである「Weekly Ochiai」を配信していますが、落合先生個人でも、書籍が「Monthly Ochiai」と化しています。
テーマには興味があるものの、やはり難しいと言わざるを得ないのが落合先生の書籍。文章の特徴としてキーワードの密度が高いため、一文に意味が濃縮されています。なかなか、他の本のように一気に読み進めることができません。
そうは言いながらも、ついつい買ってしまう魅力に満ち溢れているんですけどね。そして今回買ったのは「10年後の仕事図鑑」です。
「堀江貴文×落合陽一」は最強コンビ
このお二人、とても仲がよいようです。どこで読んだか忘れましたが、最初堀江さんの下にこの本の企画が持ち込まれたらしいのですが、「つまらねぇ」と一蹴されたとか…。でも、話の中で「落合君とならやる」ということになり、共著となったのだとか。おかげで、とても面白い本が出来上がり、感謝感謝です。
また、落合先生の本にしては、かなり平易に書かれていますが、落合先生曰く、中学高校生くらいを対象にしているとのこと。実際にはビジネス書としてランキング上位につけていて、主に大人に読まれているようですね。
私も、決して子供向けとは思いません。大人が読んでも十分に効用があるのではと思いました。なぜなら、頭の柔らかい若者はこの本を読まなくても、元々発想が柔軟です。
一方大人は、だんだんと社会のしがらみに縛られて行って、発想も硬直化していきます。そのような硬直した頭には、堀江貴文×落合陽一コンビの歯に衣着せぬ直球な言葉でないと突き刺さりません。
オブラートに包んだ大人のモノ言いでは、固い頭に跳ね返されてしまいます。チクリ、ギクリ、ドッキリと思うくらいの刺激がちょうどよいですね。
考え方の異なる二人
また面白いのが、共著ではあるものの、考え方が一致しているわけではないということ。二人の「俺はこう思う」が描かれていて、一致することもあればそうでないこともある。落合先生が10年後になくなる仕事を挙げているのに、堀江さんは10年後になくなるかどうかなんてわからないから考える意味がないと言う。
「どっちが正解なんだ?」ではなく、二つの可能性を示していると捉えればよくて、これもこの本の魅力なんですね。決して共感を求めて書かれているわけではないんじゃないかと思います。判断するのは読者であって、筆者である堀江さん、落合先生は、読者の行動を促しているだけなのかなと。
考え方が違うけれども、より根本的な部分が一致しているんでしょうね。違いを認め合う関係のように思えました。
まとめ的なもの
本書冒頭にも堀江さんが書かれていますが、一度きりの人生に不安を持ち込むことなんてしたくありません。だからこそ、今を一生懸命生き抜く。そうすることが、結果的に将来を見据えて色々学んだり、行動したりすることに繋がっていくのでしょうね。
それが10年後、20年後の礎になって、不確実性の高い社会にも不安を感じずに適応していけるだけのスキルになるのでしょう。
AIに仕事を奪われる…なんてつまらないことを考えずに、テクノロジーの進歩が見せてくれる楽しい世界を想像しながら、今を一生懸命生き抜きましょう。