サラリーマン行政書士の読書日記

本ブログは、サラリーマン行政書士である私が、本業、副業、中小企業診断士に挑戦若しくは奮闘する様及び読書記録を綴るブログです。



『アンガーマネジメント入門』怒りの感情に振り回されないために。

『アンガーマネジメント入門』怒りの感情に振り回されないために。

怒りっぽいと損をする

アンガーマネジメント入門』、読みました。アンガーマネジメントには以前から興味もありました。本書の著書である安藤俊介さんは、日本のアンガーマネジメントの第一人者ですね。NewsPicksのプロピッカーでもあるので、お名前、コメントはよく拝見しております。

さてこのアンガーマネジメントとは何かということですが、書いて字のごとしです。アンガー=怒り、マネジメント=管理、ということで、怒りをどのように管理、コントロールしていくかというスキル、ノウハウになります。

こんなことは言うまでもなく誰でもわかっていることですが、怒りっぽいと損をしますね。短気は損気というやつです。自分が短気なのか、職場の先輩上司が短気なのか、いろいろあると思いますが、怒りっぽいと場を凍り付かせます。

これをコントロールできるようになれば、職場でのコミュニケーションも加速しますし、自分もストレスから解放されて、一石二鳥。これは身につけておくべきスキルなのではと思ったのが、興味を持ったきっかけです。

怒って得たものって、ありますか?

まず、怒ったときのことを思い出してみてください。怒った原因ははっきりしていますか?本当に怒るほどのことでしたか?怒ったことで何か得るものがありましたか?

はい、おそらく三つとも明確に答えられた方は少ないのではないでしょうか。 特に三つ目、怒って得られたことなんて、きっと何もないですよね。得られると期待したことならあるかもしれません。「ちゃんとやれ!」と怒ったなら、相手がこれからちゃんとやってくれることを期待したわけですから。

でも、その後表面上はちゃんとやっているように振る舞うかもしれませんが、根本的な理解をしてくれたかは怪しいですし、怒声をあげたあなたに対しては、もはや信頼を失ってしまったでしょう。これはプラスマイナスで言えば、マイナスです。やはり短気は損気、アンガーマネジメントを身に付けて、怒りをコントロールしていく必要がありますね。

また、怒って得るものがないのなら、怒るほどのことでもなかった、怒る必要はなかったということ。ではなぜ怒ってしまうのでしょう。

怒るときって、反射的にカッとなってしまうものだと思います、よね?

怒るというのは自分で決めたこと

以前読んだアドラー心理学の『嫌われる勇気』にも、哲学者と青年の間でこんなやりとりがありました。

哲学者「あなたは感情に支配されているの?」

青年「そんなことはない!」

哲学者「では、怒ることを抑えることはできますね?」

『嫌われる勇気』はアドラー心理学について書かれた本ですが、この考え方はアンガーマネジメントにも通じるものですね。我々は決して、感情に支配されてはいない。だから、怒る人は、何か起きたその瞬間に、怒るということを自分で決めて怒っているのです。カッとなって、反射的に怒っているようで、実は怒りというのは自分で選択しているものなのです。先天的なもの、変えられない性格といった類のものではありません。

これを理解したうえで、本書はスキルとして、怒りをコントロールする方法を教えてくれます。

スキルとしてのアンガーマネジメント

アンガーマネジメントには「行動の修正」と「認識の修正」があるそうですが、まず根底に、「なりたい自分」がなければなりません。アンガーマネジメントは怒りをコントロールするスキルですので、当然「怒りっぽいところを直したい」「穏やかに生きたい」といったところでしょうか。

このイメージをしっかりと持つために、アクトカームというものを行います。これは、穏やかな自分を演じるというものです。心の中ではイラっとしたりしても、絶対に表面に出さないこと。これを行なっていくうちに、周囲との関係も変わってきて、「怒らないっていいな」と思うようになる。ただ、これが簡単にできるのなら、苦労しないのですが…。

いずれにせよ、このアクトカームで、これからも怒らない生き方をしていきたい!とイメージした上で、行動の修正、認識の修正を行っていきます。 二つ挙げていますが、実はそれぞれとても沢山のスキルがあるのです。

まず行動の修正としては…

  • ストップシンキング
  • ディレイテクニック
  • コーピングマントラ
  • グラウンディング

主なものでこれだけあります。行動は認識と違って、やればよいだけのことなので、比較的取り組みやすいものなのだとか。確かに、やると決めたらやりますもんね。

それから認識の修正。

  • スケールテクニック
  • アンガーログ
  • ストレスログ
  • 3コラムテクニック

認識の修正はこんなところ。中には心のありようを書き出すなど、行動的なものもありますが、書き出したうえで、その心のありようと向き合うのが認識の修正です。

まとめ的なもの

一通り読んだら、実践あるのみなのがアンガーマネジメントです。読んだっきりでは忘れていってしまいますし、何も変わりませんね。アンガーマネジメントは知識ではなく、普段の行動によって身についていくもの。習慣、ルーティンです。

逆に言えば、私やみなさんが普段怒りっぽいとしたら、それもまた悪い習慣の中で身についてしまったもの。この悪い習慣を行動面、認識面で修正し、心豊かに怒りと向き合って行くのがアンガーマネジメントです。あくまで向き合い方、付き合い方のマネジメントであって、怒りそのものをなくしてしまうというものではありません。

これがまたアンガーマネジメントの面白いところかもしれませんね。怒りといえど、人間の一つの感情です。これをなくしてしまうこともまた人間の心、感情の豊かさに反するもの、ということでしょうか。

組織、コミュニティと同じで、悪いものは追い出す、という単純な発想ではなく、理解して受け入れてあげる寛容さこそが、アンガーマネジメントの本質なのかもしれません。

アンガーマネジメント入門 (朝日文庫)

アンガーマネジメント入門 (朝日文庫)

 

 

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