『EQ2.0-「心の知能指数」を高める66のテクニック』後天的な「スキル」EQをトレーニングする。
『EQ 2.0 (「心の知能指数」を高める66のテクニック)』を読みました。
IQよりもEQが重視される時代などと言われていますが、調べてみるとEQもそれほど新しい概念というわけではないんですね。
どうやら1920年には「社会的知性」としてそのもととなる概念が生まれていたようです。
思えばもう15年ほど前になりますが、私が新卒で入った会社の導入研修でも、外部講師を招いてEQトレーニングをやりました。
もうどのような内容だったかは覚えていませんが、その研修を終えた後もEQというものが気になって、『EQ こころの鍛え方』を読んだものです。
今回はそんなEQを、実際に計測し、鍛えることを趣旨とした新刊本を見つけたので読んでみました。
『EQ2.0』実はめっちゃ古かった…
発売日は2019年2月25日、つまりつい先日です。
まさに新刊、発売したてのほやほやです。
でも、読んでいくとなぜか出典などが古い古い…。
2003年~2008年の調査結果を取り上げているのですが、「さて直近は」というデータが出てくるのかと思いきや、出てこない。
訳本なので、原著発売から少し経過するのは仕方ないにしても、やけにデータが古いなと思ったら、なんと2009年に発売された本の翻訳本とのこと…。
データ、古いわけですよね。
このデータが古いということに気付くのも、おそらく多くの人はほぼ読み終えた後だと思います。
目次の前のページの下に小さく英語で書かれているコピーライトなんて、これから読み始めようとワクワクしている読者の目には入りません。
古いデータがでてくるのもエピローグですから、先に目にすることはまずありません。
ですが、いいんです!負け惜しみではありませんよ?
だって、EQを鍛えることは流行でも、EQそのものは流行ではない、いつの時代でも必要なスキルだと思っていますから。
最新を追えばよいというものではありません。
日本語訳されるまでのこの10年間、英語版で200万部も売り上げてきた実績がありますから、内容は折り紙付きというわけですね。
自分のEQを計測しよう
この本の嬉しいところは、読んでEQって大事だなぁと思って終わりではなく、トレーニングして、計測ができること。
似たようなもので定番なのが『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』ですね。
実はこれも『EQ2.0』と同時に購入しております(笑)
ここらで改めて自分自身の現状把握をしておこうと思ったので。
また読んで、テストをやってみたらエントリーしますが、今回は『EQ2.0』について。
EQ計測は複数回できます
『ストレングス・ファインダー』は一回こっきりのテストなのに対して、こちらは少なくとも2度使うことができます。
「少なくとも」と書いたのは、書中に使用回数は明記されていませんが、読む前と後で計測を~というような記述があるので、少なくとも2度は使えるということになります。
ただ、おそらく実際には回数制限はないと思います。
その理由としては、こちらも書中の記述で、「EQの高そうな人を見つけたら実際にこの本のコードを使って計測し、高ければその人に学ぶ」というような趣旨の記述があるからです。
一方で読書前後の計測を推奨し、他方では他人の計測にも使えると言っている。
これはおそらく何度でも使えるはず!
と思いつつ、もし2度しか使えなかったら困るので、とりあえず守りの姿勢をとっておきます。
2度目の計測後、再度やってみて使えるようなら、定期的に計測することをスケジューリングしてみようと思います。
EQテスト、測ってみた結果どうだったか
読書前に、一度計測をしてみました。
適性診断のようなテストでは、何十問という設問をこなす必要がありますが、本書のEQテストはとてもシンプルです。
やり終えた後で少ないことに気付いたので、ちゃんと数えてはおりませんが…。
10問以上はあるけれど、20問はなかったと思います。
このようなテストとしては、かなり設問数が少ないテストだと思います。
とはいっても、全世界共通のモノサシがある分野ではありません。
現状把握は大事ですが、計測に時間をかけるよりも、本を読んで、書いてあるテクニックを実践することに重きを置いているのかもしれません。
私としても、実践重視のほうがやる気が出ますから、テストはシンプルでよかったと思っています。
さて、以下がそのテスト結果です。
スコアは100点満点ですので、78点なら悪くはないでしょう。
まだトレーニングする前ですから、このくらいのほうが取り組む動機付けにもなりますね。
各EQスコアの意味するところ
本書ではEQは4つのスキルから評価します。
個人的能力として、「自己認識」、「自己管理」。
社会的能力として、「社会的認識」、「人間関係管理」。
「~認識」というスキルは、自分を、又は他人との関係性を客観的に、俯瞰してみることができるかどうかというスキル評価のようです。
「~管理」というスキルは、上記の認識を行動レベルに落とし込めているか、ということだと理解しました。
EQスコア、納得です
そう考えると、この点数は私にとってとても納得感のあるものです。
自分で言ってしまえば手前みそなわけですが、自分のことも、他人との関係性も、割と離れたところから客観的に見ることはできていると思います。
ですが、だからと言ってその認識通りに事を進められているか、行動できているかというと、実はあまり自身がありません。
これは自分自身についてもですが、他人に対しても同じことが言えます。
最悪なことに、意識「だけ」高い系なのですね…。
これは一番駄目なことなんじゃないかと…。
まだ「気付き」がないのであれば行動に移すことができないと言えますが、状況をそれなりに理解して気付きを得ていて、それでもなお行動に移せていない。
私の弱みは、考えを行動力に移す自己管理力が欠けていること、と言えそうです。
今後の課題とトレーニング
さて、本書『EQ2.0』は、読んでおしまい、テストを受けておしまい、という本ではありません。
まずテストを受けて、その結果をうけてどのようにしてスキルを高めるか。
そしてスキルを高めるトレーニングを一定期間行なったのち、再テストをして効果を確かめることまでして初めて、読み終えたといえるでしょう。
読む本というよりは、実践的、行動的な本です。
私もテストを受けた結果、「行動力」に課題があると感じました。
この課題を解決するため、さっそくトレーニングをスケジューリングしました。
まずは最もスコアの低かった「自己管理」を、それから「自己認識」、「人間関係管理」、「社会的認識」の順番でそれぞれ1ヶ月間のトレーニングを組みました。
オススメのトレーニング方法をチョイスしていったところ絞りきれなかったので、優先順位付けをして2周目も組みました。
今月からスタートし、10月まで続くトレーニングスケジュールです。
認識を行動につなげるトレーニングですので、ちゃんと継続していきたいと思います。
というか、継続していきます。
まとめ的なもの
EQのEはEmotionalのE、Emotionalとは感情のことです。
EQは他者との向き合い方にまつわる能力ですので、感情のコントロールが重要なポイントになってくるということですね。
ただおしゃべりするだけであれば、誰でも当たり前のようにこなしていますが、相手がどう感じているのかまで考えられているかというと、疑問です。
誰しもが相手のことを思いやって会話ができていれば、対立や不和は生まれません。
考え方が違うから対立や不和が生まれるのではなく、自分を主張しすぎて相手を尊重しないことがそれを生むのだと思います。
ビジネスは一人で完結することはほとんどなく、多くの場合、組織の中で進めていくことになります。
本書では、そのような人と人との関係を構築していく上で必要になるスキルを向上させていくノウハウが詰まっています。
繰り返しになりますが、読むだけでなく、実践してこそ買った価値のある本だと思います。
しっかりトレーニングをして、10月には全てのスコアを80点超えられるように頑張ります。