IT導入のインパクト。
こんばんは。
本日はIT導入におけるコスト削減効果について。
IT導入により、これだけコストが削減された!!なんて事例はよく目にしますが、ほんとうでしょうか?
私は、実体験として間違いない!と断言しますが、今日は実際に試算してみたいと思います。
最近私界隈で話題のOffice365を導入した場合。
300人の会社で、時給を2,000円と仮定します。
手書き帳票の電子化により、毎月一人当たり2時間の工数削減できたとします。
これは一日にするとたったの6分です。
300人×2時間×2,000円で、120万円、年額1,440万円です。
一日たった6分削減できれば、年間1,440万円の利益創出ができるんです。
利益率15%の会社だとすると、9,600万円の売上に相当します。
もし一日12分削減できれば利益創出2,880万円、売上1億9,200万円に相当します。
業種にもよりますが、商社や卸売など、9割営業マン、残りは間接部門というような会社なら、ほぼ全員が毎日一定時間パソコンとにらめっこです。
私のような間接部門の人間なら、それこそ一日パソコンとにらめっこです…。
この場合、もし申請書や報告書で紙媒体があるのなら、これらを電子化することで一日30分、1時間削減!なんてこともごくごくありふれた話。
ちなみに、私は以前、自身が行っている請求書照合作業を電子化したことがあります。
それまでは、請求書の金額を確認し、それを一覧表に記入していき、検算までしていました。
時間にすると、毎月2~3日かかっていた業務です。
これをExcelに直接入力するようにし、同じ作業をする同僚がExcelOnlineで同時に編集できるよう、OneDriveを利用して共有・共同作業できるようにしました。
その結果、今では丸一日あればすべて完了する業務になりました。
この業務だけで、月に8~16時間の工数削減ができたわけです。
この業務自体は、私と同僚の4人しか携わらないものですが、同じ規模感の似たような紙媒体作業が、他の支店、営業所にも、意外とあるものです。
全社的に、しっかりと業務を洗い出して電子化すれば、百万、千万単位での利益創出は難しいものではありません。
これがIT導入のインパクトです。
いやいや、今時手書きや紙媒体の書類なんてないよ、という方もいらっしゃるでしょう。
でも、仕入先さんからの請求書を見ていて、体感としてまだ1割は複写式や手書き請求書です。
例えば私が以前いた会計事務所では、伝票や総勘定元帳以外の帳票は全て手書きでした。
決算などは、レポート用紙に定規をあてて罫線を引き、各勘定を集計したりしていました。
これはさすがに極端な例ですが、小規模事業者ではまだまだ紙媒体、手書き書類が幅を利かせています。
業務が電子化されていたとしても、それが共有されているかとか、同時作業ができるかといった部分ではどうでしょうか。
Excelで作ってはいるけど、関数を正しく使えていなくて、Excelの力を最大限発揮できていないデータなどよく見かけます。
電子化し、使いこなす。
日本はIT化が遅れていると言われます。
企業の生産性も、OECD加盟国中下から数えたほうが早いレベル。
いかにこの生産性を上げていくかといったときに、まず簡単に解決できるのがIT導入です。
生産性=アウトプット/インプット
売上、利益を上げるのは相手がいることなのでなかなか難しいですが、無駄を省いてインプット量を減らすことは社内の努力のみで完結する話。
ここをしっかりと取り組めるかどうかで、企業の基礎体力に違いが出てきます。
でも、ひとつ、絶対に抜けてはいけない観点があります。
この工数削減、利益創出といっても、実際にお金が入ってくるわけではない。
残業の多い会社であれば、残業が減って労務費が削減されるでしょう。
でも、いつも定時ダッシュできるような会社であれば、所定時間内での余裕が生まれることになります。
余裕時間、スラックなんて言いますが、このスラックをただおしゃべりに費やしたり、だらだら過ごしてしまったなら、何の意味もありません。
重要なのは、この削減できた工数を使って、どのような付加価値を生み出すかということ。
私の場合、工数削減でできた余裕時間に、まるっと法務業務をあてこみました。
折角法律の勉強をして、行政書士も合格、登録もしたわけです。
普段サラリーマンとして働く中でも、法務業務をやらなかったらもったいない。
会社の法務業務をやりますよ宣言し、実際に任されるようになってまだ一年経過していませんが、これまでに大小40件ほど契約書のチェックをしてきました。
簡単なもので目を通すだけでお終いの契約書もありますが、取引基本契約書を一から作るといった案件もありました。
この点は上司にも大きく評価していただいております。
会社の、又は自分のコアコンピタンスに対して、より大きな力を入れていくことができる。
IT導入によるインパクトで最も大きいのはここかもしれませんね。