士業の仕事がAIに取って代わられる日。
AIは人間の仕事を奪うのか?
AIが人間の仕事を奪ってしまう。
これらの仕事が今後、AIに奪われる。
この手の記事はよくありますが、なんと、行政書士の総元締、日行連が発行する会報でこの話題に触れておりました。
なかなかアグレッシブだと思います。
でも、これからしっかりと考えていかないといけない問題ですね。
一の考え方としては、人口減少、高齢化、生産年齢人口減少という課題に対して、AIは有効な解決策になるということ。
これを抜きにして、人間から仕事を奪う、とは考えないほうがよいですね。
AIと調和していく。
先進国は軒並み人口オーナス期に突入していますし、中国も遅れてやってきたのに、既に人口オーナス期に突入しております。
この記事がデータが多くてわかりやすいですね。
まずは、AIその他のテクノロジーをこのような現実に対しての解決と考えたうえで、自分の強み弱みを見極め、弱みを補うためのパートナーとして受け止めるのがよいのかなと。
今後どうしたってAIは改良され、浸透してきます。
真っ向から勝負したら勝てるわけがありませんので、どう折り合いをつけていくか、ということになりますね。
さて記事の中では、「AIやIoTで代替される士業と代替可能な業務範囲の比率」ということで、2015年の野村総研・英オックスフォード大共同研究の資料が添付されておりました。
それによると、行政書士は他の士業と比べて代替される業務範囲が広く、93.1%という数値が記載されておりました…。
恐ろしい数値ですね。
AIが出る幕もなく、代替される行政書士業務。
行政書士の独占業務のひとつは「代書屋」と言われる通り、書類作成の代行。
この部分だけ考えれば、AIでなくても、システム化で大幅に簡略化、RPAで自動化が可能です。
AIが出てくるまでもない…。
じゃあ行政書士やその他の士業は廃業するしかない?と言われれば、全くそんなこともないと思います。
というか、AIやIT以前に、あらゆる企業は常に競争に晒されています。
マイケル・ポーターのいう5つの競争要因、これは過去も現代も、未来でも普遍的に存在するものです。
業界内の競争、新規参入、買い手や売り手の交渉力、代替商品の脅威。
今回だって、AIそのものが新たな脅威になるわけではなく、同業他社だったり新規参入者がAIを駆使してマーケットを席巻するというだけの話。
昔からあった構図とも言えますね。
AIその他のテクノロジーは、自らの強みを見直すよい機会。
AIは今までの中でもかなり手ごわい相手かも知れませんが、協業することもできます。
SWOT分析では脅威としてしまわずに、機会と捉えられるよう、適応していくほうが賢い。
士業全般、法律で守られているといって独占業務の上に胡座をかいていてはいけないとも言えますね。
行政書士の勉強中にあった法格言を思い出します。
「権利の上に眠るものは法律の保護するところにあらず」
これは時効に関するものだったと思いますが、私は、「法律が変われば権利を失うこともある、その時になってももう法律は守ってくれない」という解釈のしかたをしてます。
そこから、「守られるのではなく、自身の力を身につけよう」
というモチベーションにつなげてます。
資格を取って独占業務を得て、そこでしっかりと専門性を身につけたのなら、きっと法律で守られていない分野においても強みと付加価値を生み出すことはできる。
そういった強み、ノウハウは、なかなかAIには代替されるものでもないのかなと思っています。