【書評】「ナゴヤが生んだ『名』企業」
「ナゴヤが生んだ『名』企業」、読みましたので感想を。
ナゴヤが生んで、育んだ企業達
日本国内には380万もの事業者がいて、日本を代表するような企業の多くは東京に本社を置いています。
ですが、大企業、優良企業が東京にしかないわけではない。
長い歴史の中で、地場を支えてきた企業は沢山あります。
長らく続いた不景気の中で、着実に地位を気付いてきた新興勢力もあります。
本書はそういった企業を紹介してくれます。
私の地元は、愛知県。
日本を代表する、本当に日本一の企業、トヨタ自動車があります。
そしてそれを支える巨大なグループ、下請け企業群。
他県から見ると、中部地区、特に愛知県の景気がいいのもトヨタのおかげと映るかもしれません。
ですが、実際にはトヨタ関連以外のたくさんの地元企業により、景気は支えられていることに気付きます。
景気を支えるのは、「ナゴヤ」が生んだ名企業だけによらず、尾張、西三河、東三河、それぞれの地域で活躍する企業の総合力なのです。
本書では、さらに拡大して岐阜、三重の企業まで紹介してくれています。
なんとその数、50社を超えております。
一部を紹介すると、ブラザー工業、日本ガイシ、森村グループ、名古屋鉄道、コメダ、OSG、東海漬物、メニコン、赤福等々。
恥ずかしながら、愛知県民である私も、この会社、愛知で生まれた会社なんだ!という発見がいくつかありました。
特定の地域の、複数の企業とその歴史を紹介するという書籍も珍しいのではないでしょうか。
他の地域では似たような書籍があるのかわかりませんが、とても興味深いものです。
こうやってみてみると、地域創生するにしても、地元を知らない地元民が多いのではないかということに気付かされます。
多くの若者は大都会東京に憧れますが、まだまだ気付いていない地元の良さが、きっとあるはず。
私も学生時代、京都に住んでいたころはあまり寺社仏閣めぐりなどしませんでしたが、卒業後、洛西洛東洛南と、多くのお寺を見て回りました。
学生時代に見ておけば良かったとは思うのですが、灯台下暗しというか、そのとき住んでいるところの良さって、気付きにくさがあるのかもしれませんね。