【お題】「私の黒歴史」、ブラック企業経験談
お題「わたしの黒歴史」
私の黒歴史はと言えば…やはり新卒で入った会社でしょうか。
ブラック過ぎて2年ほどで辞めてしまいましたが…。
今日は私が体験したブラック企業のお話。
- お題「わたしの黒歴史」
- 月の残業時間は140時間越え
- 「家庭か仕事か、どっちをとるの?」が現実に。
- ブラック企業は想像の上をいく 。
- 支店の1/3の人員が退職届を提出した日。
- ブラック企業はピンチに人が逃げる(でも因果応報)。
- ブラック企業、今思えば…
- ブラック企業からは今すぐ離脱することをお勧めします。
月の残業時間は140時間越え
新卒で入ったこの会社、ブラック企業の典型である長時間労働が蔓延しておりました。
配属直後ですら、月100時間は残業してました。
配属から数か月し、ノルマを与えられて以降はほぼ毎日0時を回っていました。
そこからは毎月140時間の残業をコンスタントにこなす日々。
毎晩0時が近付くと、所長から「そろそろ帰ろうか~」との号令。
ただ、それに反応して帰る者はおらず、言った当人ですら1時過ぎまでは帰りません。
会議のある日はさらに異常で、昼からのみっちり会議を5時くらいに終えた後、強制の飲み会が始まります。
それが9時頃に終わると、また全員事務所に戻って仕事します。
そんな日々の中で営業活動をしていれば、当然日中眠くてたまりません。
どう気持ちを奮い立たせても、生理現象には勝てません。
生き残るために、公園の駐車場で生命維持活動の為に昼寝は欠かせません。
起きると2時間経過!なんてこともザラで、その分営業できずに数字が落ちますよね。
ただし、数字がいかないからと言って暇になることはありません。
営業が図面作成、現場調査、職人手配、すべてこなすこの会社では、営業がイマイチなほど、それ以外の業務に時間をかけられます。
逆に、数字を達成すれば現場は疎かになりがち。
数字をとれなければ負のスパイラル。
数字をとれば死のスパイラル。
ブラックはどこまでいってもブラックです。
「家庭か仕事か、どっちをとるの?」が現実に。
数字を達成して死のスパイラルを歩む先輩もいらっしゃいましたが、もれなく土日出勤しておりました。
「土日出勤つっても出てきたの10時だけどな~(笑)」なんて言いながら、19時、20時までやってるので、こっちは笑えません。
その先輩は、奥さんから「家庭か仕事かどっちをとるの?」と迫られ、家庭を守るために会社を去りました。
漫画かドラマでしか聞かないセリフだと思っていたので、本当にそれを言われる人がいることには驚きました。
ブラック企業は想像の上をいく 。
2年目が始まるころ、うるさいけれど人情味のあった所長が異動になり、支店内で「人でなし」「今までの人生で一番嫌いな人」と悪名高い支店長が、兼任所長となりました。
なぜそこまで言われていたかというと…いろいろありすぎて…。
キャバクラで名刺をばら撒く癖があったので、支店長宛に、キャバ嬢から会社の電話へ頻繁に電話があったり、度重なる女性蔑視発言、パワハラセクハラの数々、口調が反社会的勢力の方そのもの…。
極めつけは、個人に倉庫を借りさせて、売上未達分をカラ売りさせ、倉庫に納品させてていたこと。
カラ売りされた得意先は請求書に心当たりのない請求残がたまっていくので、当然不信感を抱きます。
そうすると、担当者の責任として、自腹で買わさられることになります。
支店長はそんなまぎれもない犯罪行為を、過去に主導していたうちの一人。
当時、本社のあった大阪では、専務常務が率先してそれをやっていたので、この支店長も上を見て倣った形ですが、普通は犯罪まで上には倣いませんよね。
私が入社する数年前まで、会社の業績は好調で、上場を視野に動き始めておりました。
上場となれば監査が厳しくなるわけで、急に会社がコンプライアンスだガバナンスだというようになりました。
それまで個人で倉庫をレンタルさせられていた担当者たちの多くは、責任を擦り付けられて自腹切らされたそうです。
訴えれば、と思うのですが、きっとまともな判断できないほど追い詰められていたんでしょうね。
先ほどの先輩が辞めた後、営業所に大阪から異動してきた方がいたのですが、倉庫と補完してある商品をどう処分するか~というやり取りを、前の営業所の同僚としていました。
異動してきてから一ヶ月くらいは、そんな電話ばかりしてたのを覚えています。
商品は他の顧客に流用できたため、その方はほとんど自腹を切らずに済んだようです。
聞いた中で悲惨だったのは、辞めた後に自宅まで押しかけられ、IHヒーターを4台買わされたという方…。
その方は同じ支店内の方でして、つまり、押しかけたのは人でなし支店長です…。
支店の1/3の人員が退職届を提出した日。
ただでさえ月140時間残業でふらふらな中、このような支店長の下で働くのは、「確実に死ぬ」と思い、ついに退職届を提出しました。
退職届を提出する数日前から、仲の良かった後輩には「この日の面談で退職届を出すつもりだ」と言っていたので、彼も後れをとるものかと言わんばかりに、私との面談を終えた直後に支店長を捕まえて、退職届を提出していました。
後から聞いたところでは、同じ日の日中に女性スタッフも退職届を出していたそうです。
さらに、支店内の別の営業所の新人も、これまた同日の朝に支店長へ退職届を出していたとのこと。
さらにさらにその翌日、支店長が右腕のようにかわいがっていた3年目の先輩も、結婚を機に辞めますと報告。
家庭崩壊寸前で辞めていった先輩を見てますから、自然とそういう判断になりますよね。
支店の2営業所には、営業とスタッフ併せて15名程度おりましたが、このたった二日間で5名が退職届を出すというサプライズ。
一見異常ですが、支店長のあまりの非人道っぷりがもたらしたこと。
自業自得、致し方なしです。
ブラック企業はピンチに人が逃げる(でも因果応報)。
私が退職を決意した理由は、上場に向けて導入したSAPの運用失敗もあります。
辞めようかと悩んでいたところに、システム部門がSAP運用に失敗、現場は機能不全に…。
その頃世間はサブプライムローン問題まっただ中でしたので、ただでさえ景気の先行き不安な中、基幹システムの運用失敗、旧システムへの手戻りは、決意には十分なインパクトでした。
そして私が辞めた翌年、リーマンショックによる世界同時不況、会社は耐えきれず…。
クリスマスに2度目の不渡りを出し、140億円の負債を抱えて会社更生手続きへ。
テレビや新聞でも大きく扱われたので、分る人は分かるかもしれませんね。
その後業界トップシェア企業が支援に名乗りを上げてくれましたが、あまりに救いどころがなかったのか、支援を断念、そして御破算となりました。
人を大切にしない企業は、なんて言われますが、ほんとにそうだなと感じました。
人を大事にする企業は、そのようなピンチでも人が離れないもの。
難局を乗り越えるだけの団結力を欠いたのは、普段の行いに起因します。
因果応報です。
ブラック企業、今思えば…
あの時SAP導入が成功していたら、あのタイミングでサブプライムローン問題が起きていなかったら、もしかすると退職の決意に至らず、下手したら過労死していたかもしれません。
頭の欠陥に何か詰まってるんじゃないか、というような違和感は、当時日常的に感じていましたし。
あと一歩遅かったらと、考えてしまいます…。
今でも、ブラック企業や過労死などのニュースを見ると当時を思い出します。
また、そういう企業を経験したことのない人は、そんなことがあっても、お世話になった会社を悪く言うななどと言いますし、得るものもあったはずと言います。
これは全くの的外れですね。
確かに、得るものが全くなかったとは言いませんが、それらはまともな企業であれば、精神的ストレスや身体への負担なく、当然命の危機にさらされることなく、身に付けられるもの。
ホワイトな企業では身に付けられないものがあるとすれば、「ブラック企業は本当に人を殺す」というリアルな体験のみです。
ブラック企業からは今すぐ離脱することをお勧めします。
もしあなたが似たような状況で働いてらっしゃる方なら、まともな判断力があるうちに離脱しましょう。
辞めることは逃げではありませんし、命より大切なサラリーマン人生なんて、この世には存在しませんから。
以上、かなりガチな「私の黒歴史」でした。
ブラック企業で悩んでる方の一助になれば幸いです。