WeWorkが名古屋にオープン!働き方改革の参考にセミナー参加してきました。
WeWork、ついに名古屋進出!
昨年日本にも進出し、物凄い勢いで拠点を拡大しているWeWork。
5月にはついに名古屋にもオープンします。
昨年日本上陸したときから、働き方改革のツールの一つとして気になっていました。
中京圏では初となる拠点ですので楽しみにしていたところ、ソフトバンク担当者よりセミナー・内覧会の案内を頂き、即ぽち!と思いましたが、興味だけで参加してよいものか…。
具体的な入居予定はないのでどうしようかと悩んでいましたが、担当者に相談したところ、全然構わないとのお言葉頂きましたので、まずはセミナーに参加してきました!
WeWorkとは
さて、いきなり興奮気味に「参加してきました!」と切り出したものの、WeWorkをご存知ない方もいらっしゃるかと思います。
まずはWeWorkがどういったものなのか、ざっくりと紹介させていただきます。
WeWorkは、2010年にニューヨークで生まれたコワーキングスペースを運営する会社です。
「なんだ、シェアオフィスね」と思われた方、違います、「コワーキングスペース」です。
なぜここを強調するのかは、おいおい説明しますが、とりあえずはシェアオフィスに付加価値のついた上位互換と思っていだいても構いません。
現在世界に425拠点を展開し、日本には昨年、2018年に現地法人WeWork Japanを設立しました。
創業10年以内、評価額10億ドル以上、未上場の企業はユニコーン企業と呼ばれますが、WeWorkはこの記事を書いている現時点で、ユニコーン企業の中で評価額5位にランクインしています。
昨年日本に進出したばかりなのに、もう年内に20拠点達成する予定で、破竹の勢いのWeWork。
もしかすると、10年後にはGAFAと肩を並べているかも?
ソフトバンクビジョンファンドが出資しています
孫正義率いるソフトバンクのソフトバンクビジョンファンド、昨年サウジの皇太子が関与を疑われている事件が明るみに出た際にも話題になりましたね。
このソフトバンクビジョンファンド、WeWorkにも出資していて、出資比率は50%です。
日本の現地法人であるWeWork Japanも、ソフトバンクが50%出資しています。
セミナーの中でのお話ですが、孫会長はなんと12分のプレゼンで出資を決めてしまったそうです。
孫さんが買いあさるのを柳井さんが諫める、そんな光景が取締役会で繰り広げられるというのをどこかで読みましたが、納得です。
ソフトバンクはアリババにも出資していますが、CEOのジャック・マーとの面談では、10分の面談のところ、5分話を聞いたところで出資を決めてしまったという逸話もありますね。
もはや意思決定というよりも野生の勘です。
企業価値を比較してみるとゾッとする
上記ユニコーンランキングのサイトでは、470億ドルと評価されていますが、これは日本円にすれば約5兆円ですね。
これを書いている時点で、ソフトバンクグループの時価総額は11兆円、ソフトバンク、通信単体の時価総額は6兆円です。
上場してなくてこれですから、IPOしたらソフトバンクの時価総額は一気に越えていくのでしょうね…。
ちなみに、これを書いている時点ではソフトバンクグループは国内時価総額ランキング2位、通信単体では10位です。
みずほフィナンシャルグループは22位で4兆3千億円で、WeWorkに負けています…。
いくら世界のビジネスの中心、経済好調のアメリカの企業とは言え、これはゾッとする現実ですね…。
以上がWeWorkの概要です。
共有オフィスではなく、協働スペース
先ほどWeWorkはシェアオフィスではなく、コワーキングスペースだと言いました。
ザックリ言ってしまえば似たようなものなのですが、あえて明確に分けたいと思います。
正直なところ、私も今回のセミナーに参加するまでは、明確な違いがわかりませんでした。
でも、話を聞いた今、その違いははっきりとしていますし、WeWorkの魅力をよりよく理解できたと思っています。
まずシェアオフィスですが、こちらは直訳すれば仕事場の共有。
Wi-Fiや飲食スペースなども充実しているシェアオフィスもあるとは思いますが、あくまで場所の共有にとどまります。
WeWorkは、もちろんシェアオフィスの概念も含むのですが、さらにもう一歩も二歩も踏み込んでいます。
違いはコミュニティマネージャー
WeWorkのフロアには、コミュニティマネージャーという方がいらっしゃるそうです。
このコミュニティマネージャーの働きがあるからこそ、ただの仕事場の共有にとどまらないサービスとなるのだそうです。
コミュニティマネージャーはただのフロアの支配人というだけでなく、入居者のビジネスを深く理解してくれています。
複数名いるそうですので、担当の割り振りはあるかと思いますが、全員で入居企業の全てを把握しているということ。
ですから、ある入居企業がビジネスの相談をすれば、入居者の中でコラボレーションできそうな企業を紹介してくれます。
また、国内でも既に20拠点あるので、他拠点の入居者とのコラボもセッティングしてくれますし、もし海外進出などを考えているのなら、現地の拠点のコミュニティマネージャーとも連携して…等々、かなり頼りがいがありますね。
そんなコミュニティマネージャーがいるからこそ、ただのシェアオフィスにとどまらず、入居者間でのコワーク、協働が生まれるのでしょうね。
小さく初めて大きく展開できる
聞いていて面白いと思ったのが、新規事業立ち上げ時のWeWork利用の話。
通常、新規事業起ち上げの準備の際はミニマムスタートします。
ただ、立ち上げスタッフは少人数ですが、いざ立ち上がれば、営業部隊も入ってくるので、それを見越して不動産を選ぶ必要があります。
ですので、ローンチするまでの間は完全に無駄なスペースとコストがかかってしまいます。
もしそんなときにWeWorkを利用すれば…というお話です。
WeWorkではまずは少人数で利用できる省スペースオフィスから始まって、1フロア丸々借りるということまで可能です。
ということは、ミニマムスタート時は小さく初めて、ローンチしたらスペースを拡大し、軌道に乗ったらさらに大きく展開できるということ。
事業の規模にあわせて拡大でき、これまでの不動産のように転居する必要もありません。
もちろん、他の入居者との兼ね合いもあるので、これもコミュニティマネージャーとの詳細な打合せが必要になるとは思いますが。
まとめ的なもの
たった1時間半程度のセミナーでしたが、プレゼンテーターの話がとても上手で、3時間分くらいの情報量だったと思います。
まぁ、セミナー後に根掘り葉掘り伺ったので、追加で1時間はしゃべらせてしまったかもしれませんが…。
お話を伺いながらひたすらスマホでメモをとっていましたが、あまりに多くて紹介しきれません。
入居者についてですが、こういったスペースはIT関係の企業ばかりなのかと思っていましたが、製造業や卸売、小売業まで入居されているそうです。
また、エンジニアが転職活動をするのにWeWorkを拠点にするという例もあるそうです。
利用方法もかなり自由で柔軟性がありますね。
最も安いプランで4万9千円だそうですが、水道光熱費、通信費、福利厚生費も含まれていて、ビジネスマッチングもしてもらえると思えば、かなりお安いサービスのようにも思えます。
また、共有スペースであっても固定席プランであれば、なんと商業登記ができてしまうのだそうで。
いやまとめに入ったのにまた話題が拡散していってる…。
たった2時間半程度お話を聞いただけで、これだけ溢れる魅力を感じてしまうWeWork、次は来月の内覧会に参加します。
内覧会では今回のセミナーとは違ったお話が聞けるとのことですので、また面白いお話を聞くことができたら、続報エントリーしたいと思います。
それではまた。
『セルフ・ヘルプ』、自己啓発の名著『自助論』の完訳版。
久しぶりの自助論
書店の新刊コーナーで目に入ったとき、すぐに『自助論』だとわかりました。
本書のタイトルは『セルフ・ヘルプ 自主独立の精神』ですし、表紙にも裏表紙やオビにも、『自助論』とは書かれていません。
ですが、著者のサミュエル・スマイルズといえば『自助論』ですから、そこに『セルフ・ヘルプ』というタイトルがあれば、『自助論』に変換されるには十分です。
もちろん、『自助論』の原題は"Self-Help"ですので、本書タイトルの『セルフ・ヘルプ』のほうがそのまんま、正しいといえば正しいんですけどね。
初めて読んだ自己啓発本
なぜ瞬間的に『自助論』だと気付けたかというと、私が初めてよんだ自己啓発本が、竹内均先生が翻訳した『自助論』だったからです。
もしかするとそれ以前にもそういう類の本を読んだことがあったかもしれませんが、自己啓発を意識して読んだという意味においては、この本が初めてです。
また当時、読書量を増やしたいと思い速読の練習をしていました。
専門性も高くなく読みやすく、ひとつの話が2,3ページで終わる『自助論』は、練習題材として持ってこいでした。
速読が身についたかというと…、少しは早くなったとは思うのですが、それほど進歩は見られませんでしたね…。
偉人の成功談
初めて読んだ自己啓発本であり、速読の練習として何度もぺらぺらとめくっていた『自助論』。
これを読もうと思ったきっかけは、ビジネス雑誌の中のオススメ本コーナーで紹介されていたことだったと記憶しています。
紹介文としては、「世界の成功談を集めた一冊~」というようなものだったかと。
当時は安直に「手っ取り早さ」を求めて買ってしまったように思います。
成功ノウハウ本の「真面目版」くらいな感覚だったかもしれません…。
無論、読み始めてすぐに、そんな簡単なものではないと気付きましたが。
ただ、安易に手に取った『自助論』でしたが、結果的にはとても良いものを手に入れることができたなと思っています。
失敗から学ぶこともたくさんありますが、成功の場合は「受け入れる」だけ。
なにを受け入れるのかといえば、成功する人に共通する「正しさ」です。
真面目に愚直に時間をかけて、腐らずあきらめずまっすぐに一つのことに取り組む。
そういったシンプルな正しさを証明する人物とエピソードの集大成が『自助論』です。
時間をかけて、噛み締めるように読んでいくのがよいと思います。
やはり『自助論』
さて、自助論自助論と言っていますが、今読んでいるのは『セルフ・ヘルプ』です。
長らく『自助論』として読まれてきた本を、なぜ今になって『セルフ・ヘルプ』と言い直しているのか。
詳しくは本書冒頭に書かれていますが、要するに日本語の「自助論」という言葉では、自分の力に頼る、他人に依存しないといった捉え方をされてしまうため、Self-Helpに込められた「自助の精神は隣人も助ける」といった思いが伝わらないのではという配慮から『セルフ・ヘルプ』となっているようです。
ただ、日本では長らく『自助論』として愛されてきたタイトルですから、自分の頭の中にある言葉の意味の方をアップデートしたほうが良いと思いますね。
自助の精神こそすべての源泉
私は本当にこの「自助」という言葉が好きです。
本を開いて最初に目に入るのは、「天は自ら助くる者を助く」ということば。
これが自助の精神です。
他人や環境がどうあっても、自分だけは自分でどうにかなる存在。
当たり前ですが、それを忘れて他責にばかり走る人は意外と多いものです。
動いてくれない、批判的な他人のことをぐっとこらえて、自分が努力すればよいのです。
「天は~」とありますが、神様頼み、運頼みではありません。
やはり自助努力を怠らないから、周囲の人はチャンスを与えたがるし、逃さないということです。
常に怠っている人は、チャンスを貰えないし、いざというときにもチャンスをつかむだけの力もありません。
現実には、愚直なだけではうまくいきませんし、方向性を間違えた努力は無駄にしかなりません。
ですが、こうした自助の精神こそが成功に繋がるという多くの例示は、私たちを勇気づけてくれますよね。
これこそ自己啓発ということでしょう。
この本で何か具体的な知識やスキルを身に付けることはできませんが、知識やスキルを身に付けるために自助努力が必要だということは、一歩踏み出すためのきっかけになります。
まとめ的なもの
『セルフ・ヘルプ』は、小説でもないし、ノウハウ本でもありません。
たとえるなら名言集に近い本ですので、頭から読み始める必要もないし、つまみ食い式の読み方もありかなと思っています。
もちろん、582ページと分厚くはあるものの、平易で読みやすい本でもありますから、最初から最後まで通しで読んでみるのもいいでしょう。
色々な形の成功談があって、自らを奮い立たせる一話が必ずあるはずです。
そんなお気に入りの一話を探してみるのもまたよいかなと。
そう考えてみると、この『セルフ・ヘルプ』はいろんな楽しみ方ができる本ですね。
きっと長い人生の支えとなってくれる本ですので、手元に置いておくとよいでしょう。
『チーズはどこへ消えた?』短くてシンプルな人生の原理原則。
迷路の中でチーズを探し続ける
『チーズはどこへ消えた?』を読みました。
本書はエンゼルスの大谷翔平選手の愛読書として再度注目を浴びましたね。
もちろん、それ以前から定番のビジネス、人生の啓発本ではありますが。
私は『チーズはどこへ消えた?』を読むのは今回が初めてですが、読もうと思ったきっかけは、続編の『『迷路の外には何がある?』―『チーズはどこへ消えた?』その後の物語』が出たことです。
約20年越しの続編ですが、こちらを読むのであれば、元の話である『チーズはどこへ消えた?』から、という単純な理由です。
ずーっと売れている定番ビジネス本
さて、定番の啓発本だと言いましたが、どれだけ定番なのか、ちょっと数字を挙げてみたいと思います。
本は最後のページに発行年月日や第何刷なのかと言った情報が書かれています。
今回私が買ったものを見てみると、なんと87刷と記載されていました。
手元にある新潮社の『ツァラトストラかく語りき』を見てみたところ、60刷でした。
こちらこそ全世界で100年来読まれてきた哲学書のはずですが、それよりもさらに多く刷られています。
さらに言うと、オビには累計400万部突破と書かれています。
2000年刊行ですので、約20年で400万部、一年あたり20万部です。
これだけの数字を叩きだすというのは、最初にわっと売れてあとは尻すぼみ~という売れ方ではなく、毎年コンスタントに売れてきたということでしょう。
短くてシンプルで、抽象度の低い寓話
このお話は、小人とねずみが登場するお話です。
小人やねずみがチーズを求めて迷路を迷うという寓話から、ビジネスや人生のヒントを得ようというものです。
ですが、表紙にチーズや迷路が意味するところが書かれています。
「チーズ」とは、私たちが人生で求めるもの、つまり、仕事、家族、財産、健康、精神的な安定…等々の象徴。
「迷路」とは、チーズを追いもとめる場所、つまり、会社、地域社会、家庭…等々の象徴です。
寓話なのに抽象的な部分を説明してしまっているので、物語からこんなことが学べますよと言ってしまっているようなものです。
ある意味でネタバレのようなものなのですが、これは「物語」としてはどうなのでしょうか…。
学びの意味で言えばシンプルでわかりやすいですし、抽象度が低いのも、まずは理解を高めるという側面はありますね。
みるべきポイントは三つ
『チーズはどこへ消えた?』を読んでいくうえで、心にとどめておくべきポイントが三つあります。
そのうち二つは表紙にも書いてある「チーズ」と「迷路」です。
物語は、小人とネズミがチーズを求めて迷路をさまようというところからスタートします。
一旦は大きなチーズを見つけるのですが、ある日チーズがなくなってしまいます。
ねずみはうまく対応したようですが、小人はこの事態に大慌て。
ひとしきり騒いだあと、迷路の中で彼らはどう立ち振る舞うか、という物語が展開されていきます。
彼らは行動を起こすことに恐怖を感じるのですが、この恐怖がみっつめのポイントです。
この恐怖との向き合い方に、本書のエッセンスが詰まっています。
物語をビジネスに置き換える
チーズや迷路をビジネスに置き換えると、何になるでしょうか。
チーズは利益、シェアでしょうし、迷路はそれぞれ市場ですかね。
物語に当てはめてみると、ステーションCというとても良い市場を見つけ、利益、シェアを獲得したのがスタートになります。
しかし、その利益やシェアがなくなってしまった…。
でも、その市場から離れられない…。
こうやってみると、なんだかよくある光景のように思います。
過去に成功したビジネスモデルにしがみついて、なかなか新領域、新事業に着手できない。
ずっと成功に胡坐をかいていたので、今更チャレンジする風土もなく、変わることをリスクとすら思っている。
本当は、今の市場に残っていてもジリ貧で、早く抜け出さなければ先がないはずなのに…。
恐怖こそ学びのポイント
このように長らく変化に目を背けていると、変わることをリスクだと思い、恐怖を感じてしまいます。
ネズミのスニッフやスカリーのように、毎日匂いを嗅いで変化を敏感に感じ取っていれば、変わらなければならないことも早い段階で感じ取り、心構えをすることができます。
本来、変化はマンネリズムを打破すること、退屈から抜け出すことですから、楽しみなことであって、恐怖ではないはずです。
それが、大きな成功に胡坐をかいて停滞してしまうことで、思考も停止し、楽しいはずの変化を恐怖へと変えてしまうのです。
それでも、ホーのように再度勇気を出して変わることを決意できれば、だんだんと変化することは楽しいことだと気付いていくことができます。
この物語におけるホーの恐怖との向き合い方は、会社で働く者として、大きな学びのポイントだと思います。
まとめ的なもの
昔から書店で目に留まるたびに「そのうちに」と先送りしてきた『チーズはどこへ消えた?』ですが、その理由は分厚いからではなく、逆に薄いからいつでも読めるだろうという…。
今更ながら読みましたが、とてもシンプルに原理原則がまとめられた本で楽しめました。
シンプルゆえに、本質をしっかりと捉えていて分かりやすいですし、ビジネスだけでなく、人生のあらゆる場面に当てはめられそうです。
オビには「ビジネス書の金字塔!」とありますが、年齢は問わない本だと思いました。
寓話ですので小学生でも楽しんで読むことができますし、そのくらいの年齢から何回も読んでいれば、人生に必要な原理原則が自然と身につきそうですね。
さて、次は20年ぶりの続編、『迷路の外には何がある?』を読みたいと思います。
2019/3/21更新
- 作者: スペンサージョンソン,Spencer Johnson,門田美鈴
- 出版社/メーカー: 扶桑社
- 発売日: 2000/11/27
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- 購入: 11人 クリック: 153回
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今月の読書、まとめ的なもの。~2019年2月~
2019年2月の読書、まとめ的なもの。
身になった本難しかった本、色々とありますが、一ヶ月分をヒトコメで振り返ります。
- 高校生からの法学入門
- ゼロ・トゥ・ワン
- 世界一わかりやすいリスクマネジメント
- MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ
- 大人の語彙力大全
- 日本語の作文技術
- 日の名残り
- CASE革命 2030年の自動車産業
- 銀の匙
- シェアライフ
- その他
- まとめ的なもの
高校生からの法学入門
私は行政書士兼法務担当者ですが法学部出身ではないので、リーガルマインド系読書を重ねていきたいと思っています。
法律とはなぜ必要か、どのような機能を持っているのか、何を解決してくれるのか。
本書は高校生向けということで、先生からの罰だったり、恋愛だったり、いじめだったり、そんな身近な話題と法律を結び付けて説明してくれます。
法律というものがしっかりと社会に寄り添っているということがわかりますね。
大人であっても、法律に明るくない方の入門書としてお勧めです。
ゼロ・トゥ・ワン
ピーター・ティール、ペイパルの創業者であり、ペイパルマフィアと呼ばれる起業家たちのドンです。
なにかと話題のイーロン・マスクも、このペイパル出身。
最近「ゼロイチ」という言葉をよく耳にしますが、もしかするとこれが元ネタかもしれませんね。
世の中の人が正しいと信じているけれど、真実はその逆。
そういったものを見つけ、追求していくことが成功の道。
でも、これは余程太くて感度の高いアンテナをたてていなければなりませんね。
今回は読み物として、次に読むときはしっかりと自分の行動の参考にできるようにしたいです。
世界一わかりやすいリスクマネジメント
タイトルに偽りなし。
リスクマネジメントなんて小難しいテーマですが、本当にわかりやすくて驚きました。
生徒と先生の会話形式で進んでいくので、理解もしやすいですし、講座感もありますね。
企業でBCPを作らなくちゃと考えていても、あまりに範囲が広く、どこから手を付けたらよいかわからないということは中小企業ではありがちなことでしょう。
まずはこれを読んでみることで、BCP以前にどのようなリスクが存在するのか、という部分を理解するとよいと思います。
リスクの意識もない段階では、あんな複雑でめんどくさいBCPを自分事として捉えることなんて、なかなかできるものではありません。
MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ
EVシフトだ自動運転だなんだと言っていますが、MaaSはさらにその先。
車ではなく、「移動手段全般」をサービス化し、モビリティ革命を起こしてしまおうというもの。
さらに、その革命の先には、自動車、鉄道、運送といったモビリティ企業以外の、全産業を対象にしたゲームチェンジが待っています。
移動というニーズはあまりに卑近で、自分たちでもその本質を見失いがちだなと感じました。
大人の語彙力大全
ブログを書くのに、語彙力がなさすぎて筆が止まる、ということがあります。
こういうの、なんていうんだっけ、あれ、あれ、っていう。
まだ忘れっぽい年でもないはずなので、語彙力不足なんですね。
同じ内容のことを言うにしても、語彙力があるとないとでは、表現力が違ってきます。
表現力があると、読者への伝わり方、受け取る印象もかわってくるでしょう、
これ1冊であとはいらないなどとは言わず、いくつか読んでみたいと思います。
日本語の作文技術
こちらも、ブログを書くのに必要な作文技術習得のため。
成毛社長の『本棚にもルールがある』で紹介されていたのを見て気になっていたところ、書店のキャンペーンで平積みされていたので購入しました。
キャンペーンは、ハヤカワ編集長がガチで選ぶ、ライバル出版社の一冊、というもの。
修飾のルール、句読点のルールなどは即効性があるので、早速気にしながら書いています。
ノウハウ系ではあるものの、かなり深みのある内容ですので、一朝一夕にとはいきませんね。
日本語って、やっぱり難しいです。
日の名残り
まじめで鈍感力の塊のような執事が主人公。
カズオイシグロを読むのは初めてですが、「信頼できない語り手」というのが特徴としてあるのですね。
主人公が嘘をついているか、真実をしらされていない、ということらしいです。
『日の名残り』の主人公も、どうやら真実に気付かずに、長い年月を過ごしてしまったようです。
読み終えると、なんだか切なくなりますね。
- 作者: カズオイシグロ,Kazuo Ishiguro,土屋政雄
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2001/05/01
- メディア: 文庫
- 購入: 17人 クリック: 190回
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CASE革命 2030年の自動車産業
MaaSがモビリティ革命なら、CASEは自動車革命です。
CASE革命のあとにくるものがMaaSですね。
先に紹介した『MaaS』と比べると、かなり具体的で突っ込んだ部分のデータが事細かに説明されていて、専門色の強い本です。
自動車業界以外の人が読むと、少し難しく感じるかもしれません。
ですが、自動車産業は日本を支える産業です。
よくよく知って、理解しておかなければなりませんね。
銀の匙
マンガではく、古典のほうの『銀の匙』 。
書店で100分de名著と岩波文庫のコラボ企画というのを見かけ、購入しました。
灘高校で3年かけて読まれていると聞いていたので、とても気になっていました。
ご覧の通り、ビジネス書、実用書中心ですので、純文学などめったに読みません。
100分de名著をテキストにしつつ、味わい深い読書を楽しむことができました。
小説の楽しみはストーリーだけではないということを知りました。
シェアライフ
サブスクリプション、プラットフォーム、そしてシェアリングエコノミー、今の経済を彩るキーワードです。
でも、シェアはビジネスだけのものではありません。
昨今、おひとりさま社会になり、死別による独居老人が増え、地域社会のコミュニティがなくなりつつあります。
江戸時代、日本では当たり前だった「お互い様」の精神、醤油を貸し借りし合うような繋がりのある社会。
『シェアライフ』で提唱される社会は、まるで「お互い様」社会のリバイバル。
新しいものの価値や、拡張家族という新しい概念が登場する、シェアの思想について書かれた本です。
その他
『NewsPicks Magazine Winter 2019 Vol.3』
『事業計画を実現するKPIマネジメントの実務 PDCAを回す目標必達の技術』
『別冊NHK100分de名著 読書の学校 齋藤孝 特別授業『銀の匙』』
『お金の終活』
まとめ的なもの
2月もなんとか20冊を読むことができました。
2月は日にちが少ないのと、実用書系が多かったので、読むのに時間がかかってしまったのが響きました。
『PLANETS』も、同じ厚さの雑誌と比較して読みごたえは数倍ありますね。
内容も難しいですし、充実感が半端ないです。
『まんがで読破』シリーズも、マンガとはいっても意外に内容は濃いので、2、30分で一冊とはいきませんでした。
出張時の電車での移動時間に何冊かいけると思ったのですが、難しいですね。
最近ジャンル選びが少し単調になってきた気がします。
理数系など普段読まないジャンルにも手を伸ばしてみたいと思います。
ただ、積読をこなしていかなければならないので、今買っても読むのは一ヶ月以上は先かな…。
そんな感じで、3月も読み連ねていきたいと思います(もう半ばですが…)。
ブログ記事をパクラーにパクられた体験談と学び。
ブログ、パクられました
タイトルの通り、本日はブログのエントリーをパクられた事件について書き綴ります。
まさか、こんなしがないブログがあんなにも器用にパクられる日がくるとは…。
通らないAdSense審査のために策をめぐらす日々に…
AdSenseの審査になかなか通ることができない当ブログ。
審査に通らない理由を事細かには教えてくれないGoogle運営さんですので、審査に通った方のブログを参考にしながら、いろいろと試しています。
初期の段階ではSearch Consoleやアナリティクスに入ってみたり。
それから記事の文字数を増やしてみたり、少ないものは下書きに戻してみたり。
見出しは必須だとか画像はあまり多くないほうがいいとか、色々見聞きして右往左往に試行錯誤。
広告収入に大きな期待をしているわけではないですが、読書ブログですので、少しでも本代の助けになれば嬉しいですから。
そう思いながら色々と試すのですが、ブログ開設からもうすぐ一年、まだ審査には通っておりません…。
CCDという有能ツールと事件の発覚
そんな中、コピペチェッカーというものの存在を知りました。
ブログランキングなどに登録していると、エントリーの最初の数行などが見出しとして使われることがあります。
これがGoogle側に記事のコピペ=パクリとみなされてしまう可能性があるとので、調べてみると良い、とのこと。
その情報を得てすぐに、流入もなかったブログ村はやめてしまいました。
それでも気にはなるのでコピペチェッカーなるものを試してみました。
CopyContentDetectorという、コピペチェッカーとしては定番のツールです。
選んだ記事は当ブログでよく読まれている…
こちらで試してみました。
その結果…「テキスト判定⇒コピーの疑い98%」
えええ?!こんなにも濃厚な判定が?!
この数字って、冒頭数行っていうレベルではないですよね…。
これは、パクッテる判定ということ?
本のレビューなので、一部キーワードが他人のブログなどと被ることはあるでしょうけど、コピペと判定されるほどでは…。
ということで、詳細をクリックして、どこのサイトとのコピペが疑われているのかと見てみると…。
ちょっとホッとしました。
私がパクっているのではなく、パクられている側なのでした。
いや、パクリ被害にあっているのでホッとするとこでもないんですけどね…。
パクリ事件全容
おパクリいただいた方の記事はこちら。
おなじはてなのユーザーさんなんですね…。
私のエントリーは12月25日、パクラーさんのおパクリ記事は年が明けて1月15日。
時系列からもこちらがパクられ被害者側なのは明らかです。
読んでみると、既視感あるなぁ…って自分の書いた記事だし!!
面白いのは、全部パクリではなく、パクラーさん自身で書いたものと私の書いたものとをうまくつぎはぎしていること。
プロフ欄には、「学びの実践」とありますが、それなら自分の感じたこと、役に立ったことを書けばいいのに…。
自分の意見も書いているのに、なぜパクリに手を染めたのか…。
怠惰を求めて勤勉に行き着く系の方だった
ん、待てよ?他の部分も「自身で書いた」ものとなぜ言える?
ということで、今度はパクラーさんのパクリ記事を上記CCDのふるいにかけてみました。
その結果…、なんと、私の記事だけでなく、他のブログなどからもコピペしていることが判明しました。
結局のところ、ほぼ全文が他人の文章でした。
清々しい!!これほど清々しいパクリはない!!
昔読んだマンガ、『 哲也~雀聖と呼ばれた男~』に出てくる房州さんの名言を思い出しました。
怠惰を求めて勤勉に行き着く
ああ、あの言葉ってこのことだ、楽しようとコピペしてるのに、いろんなブログ、レビューを探して不自然でないように継ぎ接ぎする…何て勤勉な人だ!!
なんて思うわけはなく、最初から自分で書けばいいのに、としか思いませんけどね。
これで「学びの実践」って、今流行りの「盗人たけだけしい」というやつですね。
もしかすると、パクリエントリーの『メモの魔力』以外についての箇所も、全て他のブログからのコピペなのかも…。
いやいや、他の日のエントリーも、全てがパクリなのでは…。
このパクラーさんのエントリー、全てをCCDのふるいにかけてみたい衝動に駆られましたが、そんな暇なことはやりません(笑)。
もし興味のある方はやってみてください。
結果報告お待ちしております。
実際にパクられてみての感想
ただ、そこまで怒っているわけでもなく、暇な時に運営側に通報しておこうと思いながらまだアクションを起こしていません。
おそらく彼のプロフアイコンのトトロが私を抑えてくれているのでしょう。
あるいは、早くもマインドフルネスの効果が出始めているのかも?
それともEQトレーニングの成果?
冗談はさておき、あまり怒りは湧かなかったというのが正直なところ。
なんともいえないもやもやはありましたけどね。
レビューとパクリの違いは何か
ふと気になったのは、レビューとパクリの違いはなんなのか、ということ。
読書ブログは明確に基となる書籍があるわけなので、レビューなのかパクリなのか、線引きは気になるところ。
でもこの違い、境は明確ですよね。
レビューは本を読んだ自分の感想、意見、あるいは本の内容のまとめ。
一方、パクリはより明確で、引用だとわかる記載もなく、人が書いた文章、文節をそのままコピペすること。
紙の本からならベタ打ちですが、要は一字一句変えずにそのまま公開すること。
記事などでの引用は、主従関係が逆転しないこと、引用元の明記などが求められます。
今回の一件では、「メモの魔力について」という前置きの後、私やその他の人がブログで書いた文章が続きますので、パクリ、パクラー以外の何者でもありませんね。
自戒的に考えるならば
情報には一次情報と二次情報があります。
一次情報は大元となる情報で、実験や調査を行った結果に基づくものです。
iPS細胞であれば、京都大学のiPS細胞研究所の論文などが一次情報で、これを専門家がわかりやすくかみ砕いて一般人向けに書いた新書などは二次情報となります。
もちろん、論文の中でも過去の研究結果を引用するでしょうし、新書でも独自の見解を挟み込むことあるでしょうから、一次情報と二次情報は混在することになりますね。
学生時代に書いたレポートや卒論で、出典をしっかり記載することを口酸っぱく言われたのを思い出します。
他人の情報を使うということは、一歩間違えば著作権の侵害にもつながります。
気軽に大量の引用をしたり、あきらかにマンガをスキャンした画像、権利者不明の画像を使うことは大きなリスクを伴います。
自分に悪気はなく、軽い気持ちで使ったとしても、著作権者が不快に捉えたのなら、訴訟に繋がってしまうことも考えられます。
現在ぐぐって出てくるコンテンツには、著作権を無視した著作の使われ方が多く見られます。
確かになんでもみつかるインターネットは便利ですし、法律改正など対応が遅れているようにも感じていますが、現行法が法律なので、これを守ることと、改正の必要性を主張していくことは同時にやらなければならないことです。
私も今回の事件を踏まえて、出典の書き方等少し対応を考える必要があるのかなと感じました。
まとめ的なもの
まさかこんなしがないブログがパクられるとは夢にも思っていなかったので、今回の事件には驚きました。
不思議と怒りはなく、むしろネタを提供してくれた、くらいに思っていたりします。
もちろん、この後何らかの対応はしようと思っていますけどね。
今回はパクリなので問題外ですが、レビューを書いていると、著者の意見をまとめているつもりが自分の意見のような口ぶりになってしまうことはあります。
著者が言っているのか、自分の意見なのか、明確にしておかないと読者の混乱を招きかねません。
そのような点については、書店やAmazonに並ぶ本だけでなく、ブログやTwitterですら、書き手に責任が生じるところですね。
今回パクリ事件の被害者となって、自分が学ぶこと、考えていかなければならないこともあるなと感じました。
そのような意味で、パクラーさんにも感謝、感謝の瞑想です。
「パクラ—さんが、幸せでありますように、パクラ—さんの夢や願いがかないますように。」
マインドフルネスの実践にも一役買ったパクラーさん、ありがとうございます。
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40日間実質無料の紹介キャンペーン
NewsPicksの友達紹介キャンペーン、しばらくないなと思っていましたが、また始まりました。
紹介した方も、紹介された方も、Amazonギフト券1,500円分プレゼント。
まだNewsPicksを試したことがないという方も、使っているけれども無料ユーザーだという方も、この機会に是非、プレミアムプランを試してみてはいかがでしょうか。
- 40日間実質無料の紹介キャンペーン
- まずはさくっとキャンペーン概要
- NewsPicksは日々の経済ニュースチェックにかかせません
- NewsPicksアカデミアより、ついにMOOC登場!
- この機会に、是非!
まずはさくっとキャンペーン概要
期間中にこちらからプレミアムプランに登録してください。
これで私からの紹介という形になります。
10日間の無料トライアル終了後にプレミアムプランを継続利用すると、1,500円分のAmazonギフト券がもらえます。
プレミアムプランは月額1,500円のサービスですが、Amazonギフト券で同額が戻ってくるので、実質40日間無料、ということになります。
期間は2019年3月31日(日)まで。
以上が紹介キャンペーンの概要です。
昨年11月、12月にも同様の紹介キャンペーンがありましたが、今回はその時よりもトライアルの期間が短くなっています。
ですが、短くなったとはいえ40日間実質無料ですから、お得なお試しキャンペーンであることには違いありません。
NewsPicksは日々の経済ニュースチェックにかかせません
もう殆どの方が名前くらいは聞いたことがあるとは思いますが、NewsPicksは経済ニュースのキュレーションアプリです。
また、NewsPicksが独自に執筆・編集した特集記事もたくさんあるので、読み応えはスマートニュースの非ではありません。
元々、ニュースならなんでも集めるというスマートニュースとは方向性が異なります。
経済やテクノロジー、ビジネスに特化していますので、もしそういった目的でスマートニュースを利用している方であれば、NewsPicksのほうが情報収集ははかどります。
私も利用し始めてまだ2年経過しておりませんが、利用開始してすぐにプレミアムプランに移行し、今のところ無料ユーザーに戻るつもりは全くありません。
毎日NewsPicksで経済のニュースをチェックしていますし、特集記事でトレンドをフォローしています。
NewsPicksアカデミアより、ついにMOOC登場!
上記のエントリーでもNewsPicksのコンテンツはいろいろと紹介しております。
NewsPicksアカデミアについても、さらっと触れさせていただいておりますが、2月より、このNewsPicksアカデミアにMOOCが登場しました。
MOOCとは、簡単に言えばEラーニングで学ぶMBAでしょうか。
MBAそのものは取得できませんが、通う時間がない、そこまで費用を掛けられない、そういう方にはおすすめの学び方です。
まだ新しいサービスですが、様々な企業がMOOCを提供していて、本格的なものから、とっつきやすいものまであります。
NewsPicksのMOOCは1講座3分×10本と、かなりライトな内容です。
さらっと通して視聴して、興味を持ったら講師の方の著書などに進むという学び方になるでしょうか。
このMOOC単体で学び終えられるものではなく、入口、きっかけとなるコンテンツかなと思っています。
NewsPicksのスローガンは「経済をもっと面白く」です。
いきなり堅苦しく始めるのではなく、気軽に楽しみながら学びはじめられる敷居の低さをあえて意識しているのかなと思います。
さて、これだけ書いておいてなんですが、このNewsPicksアカデミアは、アカデミア会員というランクに向けたサービスです。
プレミアムプランよりもうひとつ上のサービスになるため、この無料キャンペーンでは見ることはできません…。
ただ、お試しで1話は見られるようなので、お試しあれ。
この機会に、是非!
今回は完全にNewsPicksの紹介キャンペーン宣伝エントリーになってしまいますが、それもNewsPicksが本当に面白いのだから仕方がない。
新聞だけではトレンドを追えていないと感じている方、経済や最新のテクノロジーの情報をどこで得たらいいのかと迷われている方、ニュースに対する他人の意見を見て考察を深めたい方。
そういった方にとっては、とても有益で、楽しめるアプリ、コンテンツです。
本紹介キャンペーンは3月末まで。
是非この機会にお試しいただき、継続して利用していただければと思います。
『EQ2.0-「心の知能指数」を高める66のテクニック』後天的な「スキル」EQをトレーニングする。
『EQ 2.0 (「心の知能指数」を高める66のテクニック)』を読みました。
IQよりもEQが重視される時代などと言われていますが、調べてみるとEQもそれほど新しい概念というわけではないんですね。
どうやら1920年には「社会的知性」としてそのもととなる概念が生まれていたようです。
思えばもう15年ほど前になりますが、私が新卒で入った会社の導入研修でも、外部講師を招いてEQトレーニングをやりました。
もうどのような内容だったかは覚えていませんが、その研修を終えた後もEQというものが気になって、『EQ こころの鍛え方』を読んだものです。
今回はそんなEQを、実際に計測し、鍛えることを趣旨とした新刊本を見つけたので読んでみました。
『EQ2.0』実はめっちゃ古かった…
発売日は2019年2月25日、つまりつい先日です。
まさに新刊、発売したてのほやほやです。
でも、読んでいくとなぜか出典などが古い古い…。
2003年~2008年の調査結果を取り上げているのですが、「さて直近は」というデータが出てくるのかと思いきや、出てこない。
訳本なので、原著発売から少し経過するのは仕方ないにしても、やけにデータが古いなと思ったら、なんと2009年に発売された本の翻訳本とのこと…。
データ、古いわけですよね。
このデータが古いということに気付くのも、おそらく多くの人はほぼ読み終えた後だと思います。
目次の前のページの下に小さく英語で書かれているコピーライトなんて、これから読み始めようとワクワクしている読者の目には入りません。
古いデータがでてくるのもエピローグですから、先に目にすることはまずありません。
ですが、いいんです!負け惜しみではありませんよ?
だって、EQを鍛えることは流行でも、EQそのものは流行ではない、いつの時代でも必要なスキルだと思っていますから。
最新を追えばよいというものではありません。
日本語訳されるまでのこの10年間、英語版で200万部も売り上げてきた実績がありますから、内容は折り紙付きというわけですね。
自分のEQを計測しよう
この本の嬉しいところは、読んでEQって大事だなぁと思って終わりではなく、トレーニングして、計測ができること。
似たようなもので定番なのが『さあ、才能(じぶん)に目覚めよう 新版 ストレングス・ファインダー2.0』ですね。
実はこれも『EQ2.0』と同時に購入しております(笑)
ここらで改めて自分自身の現状把握をしておこうと思ったので。
また読んで、テストをやってみたらエントリーしますが、今回は『EQ2.0』について。
EQ計測は複数回できます
『ストレングス・ファインダー』は一回こっきりのテストなのに対して、こちらは少なくとも2度使うことができます。
「少なくとも」と書いたのは、書中に使用回数は明記されていませんが、読む前と後で計測を~というような記述があるので、少なくとも2度は使えるということになります。
ただ、おそらく実際には回数制限はないと思います。
その理由としては、こちらも書中の記述で、「EQの高そうな人を見つけたら実際にこの本のコードを使って計測し、高ければその人に学ぶ」というような趣旨の記述があるからです。
一方で読書前後の計測を推奨し、他方では他人の計測にも使えると言っている。
これはおそらく何度でも使えるはず!
と思いつつ、もし2度しか使えなかったら困るので、とりあえず守りの姿勢をとっておきます。
2度目の計測後、再度やってみて使えるようなら、定期的に計測することをスケジューリングしてみようと思います。
EQテスト、測ってみた結果どうだったか
読書前に、一度計測をしてみました。
適性診断のようなテストでは、何十問という設問をこなす必要がありますが、本書のEQテストはとてもシンプルです。
やり終えた後で少ないことに気付いたので、ちゃんと数えてはおりませんが…。
10問以上はあるけれど、20問はなかったと思います。
このようなテストとしては、かなり設問数が少ないテストだと思います。
とはいっても、全世界共通のモノサシがある分野ではありません。
現状把握は大事ですが、計測に時間をかけるよりも、本を読んで、書いてあるテクニックを実践することに重きを置いているのかもしれません。
私としても、実践重視のほうがやる気が出ますから、テストはシンプルでよかったと思っています。
さて、以下がそのテスト結果です。
スコアは100点満点ですので、78点なら悪くはないでしょう。
まだトレーニングする前ですから、このくらいのほうが取り組む動機付けにもなりますね。
各EQスコアの意味するところ
本書ではEQは4つのスキルから評価します。
個人的能力として、「自己認識」、「自己管理」。
社会的能力として、「社会的認識」、「人間関係管理」。
「~認識」というスキルは、自分を、又は他人との関係性を客観的に、俯瞰してみることができるかどうかというスキル評価のようです。
「~管理」というスキルは、上記の認識を行動レベルに落とし込めているか、ということだと理解しました。
EQスコア、納得です
そう考えると、この点数は私にとってとても納得感のあるものです。
自分で言ってしまえば手前みそなわけですが、自分のことも、他人との関係性も、割と離れたところから客観的に見ることはできていると思います。
ですが、だからと言ってその認識通りに事を進められているか、行動できているかというと、実はあまり自身がありません。
これは自分自身についてもですが、他人に対しても同じことが言えます。
最悪なことに、意識「だけ」高い系なのですね…。
これは一番駄目なことなんじゃないかと…。
まだ「気付き」がないのであれば行動に移すことができないと言えますが、状況をそれなりに理解して気付きを得ていて、それでもなお行動に移せていない。
私の弱みは、考えを行動力に移す自己管理力が欠けていること、と言えそうです。
今後の課題とトレーニング
さて、本書『EQ2.0』は、読んでおしまい、テストを受けておしまい、という本ではありません。
まずテストを受けて、その結果をうけてどのようにしてスキルを高めるか。
そしてスキルを高めるトレーニングを一定期間行なったのち、再テストをして効果を確かめることまでして初めて、読み終えたといえるでしょう。
読む本というよりは、実践的、行動的な本です。
私もテストを受けた結果、「行動力」に課題があると感じました。
この課題を解決するため、さっそくトレーニングをスケジューリングしました。
まずは最もスコアの低かった「自己管理」を、それから「自己認識」、「人間関係管理」、「社会的認識」の順番でそれぞれ1ヶ月間のトレーニングを組みました。
オススメのトレーニング方法をチョイスしていったところ絞りきれなかったので、優先順位付けをして2周目も組みました。
今月からスタートし、10月まで続くトレーニングスケジュールです。
認識を行動につなげるトレーニングですので、ちゃんと継続していきたいと思います。
というか、継続していきます。
まとめ的なもの
EQのEはEmotionalのE、Emotionalとは感情のことです。
EQは他者との向き合い方にまつわる能力ですので、感情のコントロールが重要なポイントになってくるということですね。
ただおしゃべりするだけであれば、誰でも当たり前のようにこなしていますが、相手がどう感じているのかまで考えられているかというと、疑問です。
誰しもが相手のことを思いやって会話ができていれば、対立や不和は生まれません。
考え方が違うから対立や不和が生まれるのではなく、自分を主張しすぎて相手を尊重しないことがそれを生むのだと思います。
ビジネスは一人で完結することはほとんどなく、多くの場合、組織の中で進めていくことになります。
本書では、そのような人と人との関係を構築していく上で必要になるスキルを向上させていくノウハウが詰まっています。
繰り返しになりますが、読むだけでなく、実践してこそ買った価値のある本だと思います。
しっかりトレーニングをして、10月には全てのスコアを80点超えられるように頑張ります。
『最高の休息法』科学に基くマインドフルネスで脳疲労をなくす。
『脳疲労が消える 最高の休息法[CDブック]――[脳科学×瞑想]聞くだけマインドフルネス入門』読みました。
元々『世界のエリートがやっている 最高の休息法』という本があり、これの実践版として、CDブック化されたのが本書になります。
もう1年半ほど前の本になりますから、この手の本としては手を出すのが少し遅すぎですかね。
マインドフルネスは今大いに流行っているため、他にも新刊本はたくさんありますが、ビジネストレンドのように最新を追うものでもないので、あえて少し古いベストセラーを選んでみました。
マインドフルネスは「脳科学」
マインドフルネスの本は以前にも『マインドフルネス瞑想入門』を読んだことがあります。
こちらの著者はマインドフルネス関係の本をいくつか出していますね。
でも、瞑想、浄化、東洋思想と、宗教性を排除しきっていないのがやや気になりました。
私としては、あくまで科学的根拠に基づく、脳科学としてのマインドフルネスに興味があったので、なんとなーく違うかなぁと。
脳みそがどのような悪い働きをしていて、それをやわらげたりするためのスキルとしてのマインドフルネス。
宗教性を排除した、科学によるエビデンスに裏打ちされたマインドフルネス。
そんなものを望んでいたので、今回読んだ『最高の休息法』はドンピシャでした。
なぜマインドフルネスを選んだのか?
私がマインドフルネスに興味を持ったのは、アンガーマネジメントと同じく、感情のコントロールに効果があると思ったからです。
アンガーマネジメントも有名ですし、もちろん効果のあるものだと思います。
ただ、やはり科学的根拠などが明確でない部分もあるので、スキルとして身に付けられるかどうかは人に依りけりという感じはありました。
ひるがえってマインドフルネスはというと、ペラペラとめくれば脳みその図がでてきて、前頭葉だ偏桃体だという言葉が並びます。
また、マインドフルネスを実践した人とそうでない人ではこういう違いが出た、という実験結果も多く、しっかりとエビデンスが示されています。
同じ目的を達成するために、できるだけ効率の良いもの、確かなもののほうが、モチベーションを維持しやすい、というのがマインドフルネスを選んだ理由です。
マインドフルネスの必要性
脳みそというのは、人体のなかで2%の重みしかないのに、エネルギー消費量の内の20%を占めると書かれています。
これはサピエンス全史でも書かれていたので、誇張でもない確かな数値でしょう。
その20%のうちの、60~80%を占めるのが、DMN(デフォルトモードネットワーク )という脳回路だそうです。
間をとって70%として、人のエネルギー消費量の内、14%はこのDMNが占めているということになります。
それだけの大食漢ということは、さぞ深い思考に役立っているのかと思えば、そうでもない様子。
DMNは脳の活動のベースライン、車で言うところのアイドリング状態なのだそうです。
車は信号待ちでもアイドリング状態でガソリンを食いますよね。
DMNも、ぼーっとしているときでも働いていて、無駄にエネルギーを消費しているそうです…。
車がエコ、EVの時代に突入しようとしていますが、脳みそだって省エネ化するにこしたことはありませんね。
実際に、脳に効くのか?
こればかりは実践してみないと腹落ちしない部分ですね。
実験結果などを並べてあっても、母数が少ないとか相関関係があるのかとか、言い始めたらきりがありません。
確かめるには、自分で経験してみるしかありません。
とはいったものの、そんなに簡単に脳が変わることもありません。
書中には、脳の可塑性、構造が変わるとまで謳われています。
ただそこまでに至るには、毎日継続すること、それを数年続けることが必要になってくると思います。
読者がブログでさらっと結果を報告できるほど甘くはありませんね。
マインドフルネスの簡易性
そんなライフワーク的な側面のあるマインドフルネスですが、特徴の一つとして実践の容易性、簡易性が挙げられます。
改めて、本書ではマインドフルネスの特徴を三つ挙げていて、一つは宗教性の排除による実用性、二つ目は修行の要素の排除によるシンプルさ、三つめは脳科学アプローチによる客観性です。
仏教など東洋思想として瞑想を実践するとなると、信仰心やら厳しい修行やら、一般人にとってはハードルが高すぎます。
瞑想による効果が科学的に説明されているとしても、これではなかなか手が出し辛いところ。
そんな瞑想から宗教性を排除することで手段化し、シンプルに、簡易的にしたのが現代のマインドフルネスです。
いつでもどこでも、「やろう」と思ったらできる簡易性が、マインドフルネスの売りですね。
マインドフルネスの即効性
マインドフルネスを実践してみて、あくまで個人的な感覚ではありますが、いつもよりも物事を客観的に見ることができるようになったと思います。
マインドフルネスの実践でストレスや疲労を感じにくくなるには、かなりの時間を要すると思います。
その一方で、「いまここにあること」、「自分を俯瞰してみること」というのはマインドフルネス本の常套句ですので、最初に意識に刷り込まれることですので、否応なしに自分を客観視することに意識は向くというわけです。
マインドフルネスの即効性としては、俯瞰して、客観視する癖がつくということは確かにあると感じました。
まとめ的なもの
Appleのスティーブ・ジョブズが実践していたり、Googleでは会社としてマインドフルネスに取り組んでいたり、シリコンバレーでも人気のマインドフルネス。
でも、ルーツをたどれば東洋思想に行きつくので、本来は日本は逆輸入のような形になります。
雑念を取り除くために座禅を組む。
雑念が入り込んだら肩を叩かれる。
一休さんなどで見かけたアレが、マインドフルネスのルーツというわけです。
宗教心がないことを勿体ないとか、そういうことは思ったこともありません。
でも、マインドフルネスというツールまで放棄してしまったと思うと、とてももったいないように思いました。
日本の働き方はよく言えば「生真面目」悪く言えば「がむしゃら」です。
この生真面目さのおかげで、戦後最速で復興を成し遂げ、高度経済成長に突入できたのだと思います。
ただその一方で過労死が"karoshi"として英語で使われてしまうほどがむしゃらに働きすぎだということも事実。
そんなストレスフルな働き方をする日本人だからこそ、マインドフルネスによって脳疲労を軽減する、そんな休息法を身に付けなければなと思いました。
脳疲労が消える 最高の休息法[CDブック]――[脳科学×瞑想]聞くだけマインドフルネス入門
- 作者: 久賀谷亮
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2017/05/18
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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『シェアライフ』新しい経済と社会のつながり方。
NewsPicksの動画コンテンツ、WEEKLY OCHIAIでMCを務める石山アンジュさんの著書、『シェアライフ 新しい社会の新しい生き方』を読みました。
シェアという思想
タイトル副題にもある通り、シェアという概念は新しい社会の到来を感じさせます。
Uber、airbnbなどはシェアリングエコノミー企業としてもはや知らない人はいないのではというまでになりましたし、中国でも滴滴出行などが追いつき追い越せの勢いで成長しています。
そんな今話題のシェアリングエコノミーですが、本書は経済の話だけではなく、シェアライフとして、社会と生き方まで含めた重要な概念としてシェアを捉えています。
著者である石山アンジュさんが本書で伝えようとしているのは、シェアを用いたビジネストレンドはなく、シェアという概念の根底にある思想なのです。
本当に失われた30年だったのか
「はじめに」で、アンジュさんは読み手に投げかけます。
「失われた30年、本当にそうだったか?」と。
振り返ってみると、平成という時代はバブル崩壊から始まり、デフレ、リーマンショック、超高齢化社会、人口オーナス期、度重なる自然災害、数え上げたらきりがないほどネガティブキーワードが挙がる時代でした。
だから、平成は失われた30年だった…というのが世間一般の論調です。
たしかに経済環境は厳しい状況が長らく続いていましたが、我々の生活は経済活動が全てではありません。
スポーツではイチローや真央ちゃん、大坂なおみ、他にも数えきれないほど多くのスポーツ選手が活躍し、日本のレベルの高さを世界に見せつけ、大いに盛り上がりました。
映画でもカンヌのパルムドールを2作品が受賞していますし、世界の北野も多くの映画を輩出してきました。
何が言いたいかというと、ネガティブな側面ばかり見ていませんか?ということ。
また、社会が大きく変化して色々なものの価値が変わってきているのに、我々の方がその価値に気付けていないのではないか?ということ。
モノが無い時代から有り余る時代へ
戦後、日本は一からのスタートを余儀なくされました。
それが戦後たった20年で高度経済成長という時代へ、そしてジャパンアズナンバーワンと言われるまで上り詰めました。
高度経済成長を終え、バブルが崩壊し、経済が大打撃を受けたあとも、モノが無くて困るということはなく、現代はモノ余り・飽食の時代です。
大家族から核家族、そしておひとりさまへ
経済が成長するにつれ、就職で東京へ、逆に地方へと転勤することが当たり前になり、家族は大家族から核家族化し、さらに今ではおひとりさま社会になっています。
よいかどうかという問題ではなく、我々のライフスタイルは大きく変わってきているということが現実としてあります。
人の流動性が高まり、昔のように地域に根ざしたコミュニティは減っています。
皆さんの周りをみても、隣近所でも知らない、挨拶しないという人が増えたのではないでしょうか。
本書でも孤独死の増加を指摘していますし、つながりが希薄な時代になってきていると言えます。
新しい価値観
モノ余りの時代、つながりの希薄化、これらのことから新しい価値観が見えてきます。
みんなモノを持っている時代なのだから、「個人所有」にはもはや価値はないのではないか。
家族の団欒というつながりが希薄になったのなら、血縁以外のつながりに価値を見いだせるのではないか。
こうしてこれまでの価値観に縛られることをやめれば、自ずと道は見えてきます。
失われた30年というのは、社会の変化に適応できていなかっただけのことなのかもしれませんね。
シェアライフが日本の問題を解決する
本書では「私たちにとっての幸せを再定義」する必要性を説き、その解決にはシェアというキーワードが欠かせないと言います。
まずは所有するという縛りからの解放です。
これまでは家も車も音楽もなんでも、「買う」という手段が主流でしたし、ほとんどそれしか選択肢はありませんでした。
今では、冒頭に挙げたようなライドシェア、シェアハウスといったサービスがあります。
車のシェアリングエコノミー
以前に読んでエントリーもした本に『MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ』があります。
この本の中で、考えれば当たり前でありつつも衝撃だった「4%」という数字があります。
これは、我々が決して少なくないお金を払って、あるいはローンを組んで購入した車の平均的な利用率です。
多くの人は平日は通勤のためにしかマイカーを使いません。
30分を、往復で1時間の利用ですが、1日は24時間あります。
1時間÷24時間=約4%、となります。
そういうものだと言えばそういうものですが、これってとてももったいなくないですか?
1日のうち約96%の時間は、車は駐車場で止まっているだけなのです。
この残念な当たり前を打ち砕くのが、シェアという概念です。
日本ではまだまだ法律などの整備が追いついていませんが、個人が車をシェアできるようになるのも時間の問題でしょう。
社会とつながるシェアもある
著者の石山アンジュさんは今、シェアハウスで暮らしているそうです。
これは「つながりの希薄化」を解決するもののひとつですね。
現代はおひとりさまの多い社会ですが、それでも本当に一人なのは寂しい…人が嫌いなわけではない…という人がほとんどなはず。
個人を尊重しつつ、緩やかに繋がっていたいというニーズが強まってきているのでしょう。
みんなで少額の組合費を出し合い、それでシェアハウスを管理・維持しているのだそうです。
これって、長屋とか町内会のようなものですよね。
血縁もなく、同郷というわけでもないですが、それでもしっかりと繋がっている。
醤油を貸し借りし合うようなお互い様社会というようなことも書かれていましたが、なるほどと思います。
2つのシェア
書中、Uberやairbnb、シェアハウスやクラウドワークスなどなど、いくつものシェアサービスの実例が示されますが、だんだんとこれらの間に違いがあることに気付きます。
いずれもシェアリングエコノミーには違いのに、なぜなのか。
そう思いながら読み進めていくと、著者からその答えが提示されるのです。
それが、シェアの資本主義型と持続可能型というものです。
資本主義型のシェア
これまでの資本主義経済は、たくさん作ってたくさん売ることで、富を拡大してきました。
モノがあふれる現代になって、マーケティングも製品志向から顧客志向へと変わってきています。
そうした中で生まれたのがUberやairbnbのようなシェアリングエコノミーです。
インターネットというイノベーティブなインフラの誕生は、CtoCのプラットフォームが生まれるきっかけとなりました。
プラットフォームはネットワーク外部性により、ユーザーが増えれば増えるほど利便性が向上します。
そのため、様々な企業がサービスを展開するよりも、一極集中したほうがユーザーもメリットが生まれます。
これが資本主義型のシェアです。
これまでの資本主義も競争社会ではありましたが、シェアリングエコノミー、プラットフォームの資本主義経済は、より独占化が進みます。
持続可能型のシェア
もう一方の持続可能型のシェアは、まったく異なる印象を受けます。
持続可能型という言葉からも雰囲気が伝わってきますが、経済というよりは社会生活におけるシェアです。
シェアハウスのように「人とつながる」ことを目的とし、必ずしもビジネス的な成功を目的としているわけではありません。
持続可能型のシェアはコミュニティ中心で、心を満たすためのシェアなのでしょう。
新しい価値観に従って幸福感を高めるためのシェアで、著者が力を入れているのはこちらのシェアのように感じます。
書中、北海道天塩町で誕生したnottecoというライドシェアサービスを紹介していましたが、まさに資本主義型と持続可能型の対比にふさわしいサービスですね。
人口3,200人という過疎地域で、自治体を巻き込んで買い物弱者をなくそうという地域密着型のライドシェアサービス。
資本主義型ではスケールさせるビジネスモデルでしたが、こちらはその真逆の地域密着ですし、規模の経済が働きにくい構造です。
ビジネスとして大きくするという目論見ではないのでスケーラビリティは必要なく、これで必要十分なのです。
このシェアサービスは、近代に入り欧米的資本主義の価値観が入ってきて失われつつあった、日本の「長屋」、「お互い様」という原風景を根底に持つサービスのようにも感じますね。
また、過疎化する地域では地方自治がなかなか難しい面があったように思いますが、新しいテクノロジーやシェアリングエコノミーといった手段を用いることで、古き良き日本人の精神を保ったまま、自立した地方が存続していく道も見えてきたのではないでしょうか。
まとめ的なもの
正直なところ、「はじめに」でシェアという思想について書かれているのを読んで、「具体例少なめのライトな内容かな?」と思ってしまいました。
ところが読んでみると、しっかりと問題提起、課題設定がなされ、テーマであるシェアにより解決に結びついています。
具体的な企業やサービスにフォーカスしたビジネス書も面白いですが、本書のように思想面にフォーカスした著書は、読んだ後で自分の中に広がりが生まれますね。
この『シェアライフ』という思想概念を、自身の生活のどこに当てはめられるのかと思いを巡らせます。
また、これまで持っていた価値観を見直すきっかけにもなりますよね。
いまの経済と社会を担ってきたもの、これからの経済と社会を担っていくもの。
所有からサービスへという表面上の変化だけを追うのではなくて、なぜ今そのようなパラダイムシフトが起きているのか、根底にあるものについて考えさせられる良書でした。
『銀の匙』純文学の読書の作法を学び、味わう。
読書は沢山こなしますが、ビジネス書が中心で小説はたまに読むばかり。
その小説の中でも純文学などはほとんど手を出しません。
学生の頃、太宰治には多少はまりましたが、それ以来純文学は読んでおりません。
最近読むのはミステリーやSF小説などエンターテイメント性の高いものばかり。
特に敬遠しているわけでもないのですが、どういうわけか純文学にはあまり縁がありません。
でも、名著と呼ばれるようなタイトルは押さえておきたいという思いは常々ありました。
ターゲットは『銀の匙』
そんな折、よく足を運ぶ市内最大の書店で「100分de名著×岩波文庫の合同フェア」のコーナーができていたのは前回のエントリーの通り。
大量に仕入れた本の中に、長らく興味を持ちつつ先延ばしにしてきた純文学の名著、『銀の匙』があります。
早速、100分de名著のテキストからの本編を読んでみましたので、今回はそんな『銀の匙』を読んで感じたあれやこれやを書き綴ってみたいと思います。
純文学は味わい深い
純文学、しかも大正時代に書かれた小説ですから、読んでみて理解できなかったらつまらないと思い、今回は先に100分de名著のテキストを読んでおります。
普通、小説はあらすじやオチを先に知ってしまうと楽しめないということもありますが、『銀の匙』については先にテキストを読んで正解でした。
ここがミステリーなどエンターテイメント性の強い小説との違いでしょうか。
ストーリー性よりも、その表現の豊かさのようなところに惹かれますね。
普段はビジネス書ばかりですから、目でキーワードを検索するような読み方をすることも多々あります。
必要な情報を得るための読書、それがビジネス書の読み方です。
小説はとなると、情報を得るのではなくて、文章を楽しむことが読書の目的となります。
ミステリー等ならストーリーを、純文学は表現力を。
日本語って、こんなにも綺麗で豊かだったんだなという再発見がそこにはありました。
一文を抜き出してみます。
赤ちゃけた花崗岩の細末が鮫の皮みたいにかたまってるとこへひからびた小松がかつかつにへばりついて、木の実をくった鳥の糞があちらこちらに落ちている。
もう一文
そのほんの覘いてみるほどのすきまから山また山が赤く、うす赤く、紫に、ほの紫に雲につらなって、折り重なり畳み重りはてしもなくつづいてるのがみえる。
どちらも『銀の匙』後編十九にある一文ですが、読んで頭にその場面がイメージできますよね。
読み進めていくことで、頭の中のキャンパスに風景が次々と描かれていくようです。
そう感じることができたのも、100分de名著での斎藤孝先生の解説を読んでいたからこそ。
なかには聞きなれない言葉もたくさん出てきます。
その都度調べてみたり、『銀の匙』は丁寧にも終わりに注釈があるのでこれを読んでみたりして補完します。
文章、日本語そのものを楽しむのが純文学なのかと、これも新しい発見でした。
時代を感じ、違いを考える
明治大正の小説を読んでいると、何とも言えない違和感を感じますね。
ときどき顔を見せるその時代特有の物や考え方に対して、我々は現代の価値観というの色眼鏡を通して見てしまいます。
『銀の匙』でいえば、男女の価値観や、多様性のなさ、兄という存在。
特に兄の理不尽で頑なで、有無を言わせないその態度には憤りを感じます。
ただ、当時は家父長制まっただ中ですし、男女平等などという概念もない時代ですから。
現代ですら、家は長男が継ぐものだと考える人がいますが、『銀の匙』の時代は、本当にそれが当たり前だった時代です。
そんな時代背景や、兄の長男としての自負や葛藤なども考慮に入れる必要がありますね。
こうして兄の立場に立って考えてみると、一方的に兄を責めることはできないし、むしろ長男としての責任を果たそうとする姿が見えて、なんとも切ない気持ちになります。
後編十にある、私と兄との最後の描写なんて、勝手に深読みして悲しくなってみたり…。
時代が現代であれば、兄は「兄らしさ、男らしさ」といったプレッシャーに縛られることなく、兄弟も断絶することもなかったのでは、と。
最近よく言われる同調圧力というものは、協調性や和といった言葉の裏返しのように思います。
『銀の匙』では、日本人のこういった文化を「同調圧力」として捉えているようですね。
まとめ的なもの
過去に太宰治を読んでいたときは、そこまで文章の美しさとか、時代背景とか、そういったところまで追えていませんでした。
読書にもまだ不慣れだったということもありますが、「純文学とは」というジャンルの特性みたいなものを知らずに読んでいたせいかもしれません。
同じ小説といっても、純文学、SF、ミステリー、ラノベ、 それぞれに楽しみ方、味わい方は違うのですね。
100分de名著の斎藤先生の講義を読んでいなかったら、『銀の匙』も最後まで読み切れなかったかもしれません。
ストーリーとしてはあまりに日常的過ぎますし、明確な起承転結や、伏線回収のようなものがあるわけでもないので。
たんたんと、「私」こと中勘助の幼少時代が綴られている。
文章を味わうことを知らなかったなら、面白さの半分以上に気付くことなく本を閉じていたかもしれません。
好きに読めばいい、というのも正しいと思いますが、まずは読書の作法を知って、読書そのものに慣れ親しむのがよいです。
それから、好きな読み方を自分なりに工夫していけばよい。
読書の守破離、やっと純文学の「守」を、少しだけ身に付けられたような気がします。
別冊NHK100分de名著 読書の学校 齋藤孝 特別授業『銀の匙』 (教養・文化シリーズ)
- 作者: 齋藤孝
- 出版社/メーカー: NHK出版
- 発売日: 2018/02/24
- メディア: ムック
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「NHK100分de名著×岩波文庫」合同フェアに乗っかってみた。
近所の書店へ行ったところ、過去の100分de名著が並んでました。
オビを見たところ、どうやら「NHK100分de名著×岩波文庫」という合同フェアを開催しているようです。
折角なので、このフェアに便乗して読書をすることにしました。
使えるテキスト、100分de名著
100分de名著は、四週間にわたりひとつの名著をとりあげるNHKの番組です。
番組は見ていませんが、100分de名著のテキストはとてもわかりやすくまとまっているので、とっつきにくい名著の入門書として使えます。
私も読んでいますし、エントリーもしています。
名著をわかりやすく解説してくれるのは、その名著の分野に精通された方です。
そのため、100~120ページ程度のボリュームですが、密度はとても濃いものになっています。
フェア便乗読書
さて、そんな100分de名著と岩波文庫の合同フェアですから、対象となる書籍タイトルはそうそうたるものです。
一部を紹介すると…。
- 君たちはどう生きるか
- 銀の匙
- 菜根譚
- オイディプス王
- 五輪書
- 中原中也詩集
- 種の起源
- 三国志
よく聞くタイトルだけども、いつか読んでみたいと思いながら結局敬遠しがち、というタイトルばかりですね。
そんな敬遠しがちなタイトルも、テキストが読書をサポートしてくれれば、なんとか読みこなせそうです。
そんなわけで、私も合同フェアに乗っかって、いくつか購入してみました。
君たちはどう生きるか
もう一年以上前になるでしょうか。マガジンハウスからマンガとして出てブームになったタイトルですね。
私もマンガでは読んだのですが、コペル君の日常とおじさんの手紙を行ったり来たりする不思議なスタイルにはまりました。
そのうち活字の方も読もうと思いながらそのままになっておりました。
テキストは100分de名著ですが、書籍はあえて岩波文庫ではなく、マンガと同じマガジンハウス版を購入してみました。
銀の匙
『銀の匙』
灘校で三年間かけて『銀の匙』を読んでいるというエピソードを知って、長らく気になっていたタイトルです。
テキストも読み終え、文庫も読み始めておりますが、2、3ページで一つのお話が終わるのでとても読みやすいですね。
話は全て繋がっているそうなのですが、エピソードひとつひとつは短く、隙間時間を使って楽しめそうです。
オイディプス王
『オイディプス王』
名前はよく聞きますが、どんな内容なのか、予備知識はまったくありません。
文庫をペラペラとめくってみましたが、劇の台本のような本ですね。
テキストを見ると、古代ギリシア悲劇の傑作だそうです。
古代ギリシアと聞くと、名前が長くて似ていてこんがらがるという、受験勉強時の思い出がよみがえりますね
種の起源
『種の起源(上)』
このタイトルも、岩波文庫ではなく、光文社のものを購入予定。
岩波文庫はタイトルが充実していてありがたいのですが、古いものはフォントがとても読みにくいのです…。
折角読むのですから、フォントのために楽しく読めないのは勿体ないですよね。
本当は本棚に並べたとき、岩波がずら~っとなっているとカッコいいのですが、やはり本は読んでなんぼなので、読みやすさが優先です。
生物学、人類学、高度な専門知識を要する分野ですが、より自分自身のことを知るために、興味の尽きない分野でもありますね。
まとめ的なもの
沢山買ってしまいましたが、今でもたくさん積読在庫が滞留しております。
実際にこの4タイトル全てを読み切るのはいつになることやら。
でも、ビジネス書のように旬があって、今読まないと古臭くなってしまうというような本ではありません。
しっかりと時間をかけて、噛み締めながら読書したいと思います。
『MaaS』モビリティ革命による社会デザインの実現へ。
『MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ』読み終えました。
自動車の未来のお話でしょうか?いえ、「移動手段」の未来のお話です。
そしてMaaSを活かすためのスマートシティのお話です。
オビには「マイカー半減!トヨタはどう生きるのか?」とありますが、自動車メーカーだけではなく、鉄道会社、バス会社など、移動を製品として、サービスとして提供する企業すべてが、このMaaSの対象となります。
ただ、本書ではさらにその先、モビリティ革命の先にある「全産業」のゲームチェンジを見据えています。
書籍の裏表紙にも「Beyond MaaS ーMaaSの、その先へー」と書かれています。
つまり、移動を中心に据えた、これからの社会のデザインを描いた本というわけです。
これは面白い。売れるわけです(笑)。
Mission to MaaS
映画『ミッション・トゥ・マーズ』に引っ掛けて、これが言いたかった。
映画の内容はあまり覚えていませんが…。
冗談はさておき、まずは本書タイトルにもなっている「MaaS」というものがどんなもので、何を目指しているものなのかを説明します。
MaaSとは何か
MaaSとは、Mobility as a Serviceの頭文字をとったもの。
直訳すると「サービスとしての可動性」となります。
なんのこっちゃですね。
MaaSというキーワード、やはりトヨタと結びつけて考えてしまいます。
なぜならトヨタの豊田章男社長の発言があるからです。
私は、トヨタを「自動車をつくる会社」から、「モビリティカンパニー」にモデルチェンジすることを決断しました。
このメッセージは年始に、販売店を通してうちの会社にも届きました。
直接MaaSという言葉は使っていませんが、今はモビリティというキーワードでトヨタを想起し、そのままMaaSもトヨタと繋げて考えてしまいます。
もう一つ、「CASE」もそうですね。
「電動化」「自動化」「コネクティッド」「シェアリング」などの技術革新は急速に進み、新しい競争ルールで、新しいライバルたちと、「勝つか負けるか」ではなく、「生きるか死ぬか」の闘いが始まっています。
これも上のリンクにある社長メッセージの中の一文です。
CASEについては『CASE革命 2030年の自動車産業』という本が出ていて、ブックタワーに積まれているので、また読み終えたらエントリーしますね。
トヨタが引き合いに出されるのは、日本の自動車業界のリーディングカンパニーであり、MaaSを考える中で中心的な役割を期待されているから。
だからMaaSとはなんなんだ、という話に立ち返って考えましょう。
トヨタはこれまでは車というモノを提供する企業でしたが、「どのように目的地に行くか」という目的を果たすための「サービス」を提供する企業に生まれ変わろうとしている、ということです。
もちろん、トヨタだけでなく、あらゆる移動手段を提供してきた企業が、MaaSという概念を基に、ビジネスモデルを変革していくことになります。
MaaSは何を目指しているのか
ではMaaSは一体何を目指しているのでしょうか。
MaaSでは、車単体でなく、電車単体でもなく、移動というものを包括的に捉えています。
これはニーズのお話ですね。「消費者に何が欲しいか聞けば、もっと速く走る馬車が欲しいと言うだろう」というようなことを、フォードは語っています。
その当時はまだ車は一般的ではなかったので、車ではなく、速く走る馬車を欲したというのは納得です。
これはその時代の消費者のニーズを、フォードがくみ取ったという例です。
今でいえばどうでしょう。様々なテクノロジーが発達した現代で、消費者の移動ニーズをどのようにビジネスにするか。
そう考えたとき、やはり思い浮かべるのがインターネット。
この全てのモノと情報を繋げるテクノロジーによって、Door to Doorのトータルソリューションを実現しよう、というのがMaaSです。
as a Service全盛時代
話を少し戻しますが、as a Serviceという言葉、よく耳にしますよね?
最も有名なものはSaaSではないでしょうか。
Software as a Serviceです。
Office365、Gmail、DropboxなどがSaaSの典型です。
IaaSというものもあって、これはInfrastructure as a Serviceですね。
AmazonのAWSやマイクロソフトのAzureなどがあります。
違いが分かりますでしょうか…。
SaaSはソフトの利用をサービスとして受け取っています。
IaaSはサーバ機能というインフラを、サービスとして受け、そこに自社のソフトを載せて、顧客に提供したりしています。
他には何があるだろうとアルファベット順に検索してみると、ほんとにわんさかありますね。
as a Service全盛時代です。
これはどういうことかというと、モノからコトへ、という流れ。
シーズ志向からニーズ志向、ひいては製品志向から顧客志向という流れとも言えます。
「サブスク」「プラットフォーム」「XaaS」
as a Service、長いのでここからはXaaSと言いますね。
このXaaSにせよ、プラットフォームにせよ 、全てはある一つのテクノロジーがあって初めて成り立ちます。
それはインターネットです。
サブスクリプションモデルも同様に、インターネットがあって生まれた概念です。
インターネットを一過性のものと考えている人は、もはやこの世にいないと思います。
でも、ITバブルがはじけた2001年頃は、まだインターネットに対して懐疑的な人も多かったようです。
今でも、スマホは使うけど、AmazonなどのECサイトを含め、ネット上で個人情報は絶対に入力しないという人は見かけますね。
これまでの最新テクノロジーはモノであったため、見えない、触れられないインターネット上で動くものは、信用できないんでしょうね。
何となく気持ちはわかりますが、個人的には、それだけで毛嫌いするのは勿体ない気がします。
いずれにせよ、インターネットが、今の、そしてこれからの我々にとって基盤となるテクノロジーであることは間違いありませんね。
MaaSをはじめ、様々なモノがサービスとしてプラットフォーム上で提供されるようになり、そこにはいつも、サブスクリプションがくっついてきます。
たどっていけば、そこにはSDGsが
MaaSの経緯や目的をたどっていくと、そこにはSDGsがあるように思います。
SDGsとは、Sustainable Development Goalsの頭文字をとったもの。
持続可能な開発目標のことです。
なんだか今日は横文字ばかりですね(笑)。
持続可能な未来を実現するために17のゴールが設定されており、その中にはエネルギーや、気候変動や、住みやすい街づくりについて書かれたものもあります。
MaaSが注目され始めた経緯の一つに、街の渋滞、交通安全、街の再開発、過疎地域の交通弱者などの問題があるので、企業のMaaS化が進めば進むほど、SDGsの目標に近付いていくのではないでしょうか。
MaaSは公共性、社会性の高い概念だと感じますね。
モノから人中心の社会へ
別の側面、車の技術向上という側面からも見てみましょう。
車のEV化が進んで、自動運転のレベル5が完成したとしても、これは車という一工業品の進歩にしか過ぎません。
もちろん便利になることは容易に想像ができますが、あくまで「車」の進歩であって、イノベーションと呼べるものではありません。
ですが、マイカー、公共交通機関、タクシー、さらには自転車まで、あらゆる移動手段を包括的に統合されたなら、まだ自動運転がレベル3の段階だとしても、これはイノベーションと呼べるものでしょう。
イノベーションは日本では技術革新と誤訳されがちですが、本来は新結合、新機軸という意味です。意外な組み合わせによる新たな機軸、MaaSはまさにイノベーションの塊です。
本来車というものは、多くの人には移動することが本質的な目的のはずです。
それが「運転する歓び、楽しみ」という売り文句をなんら疑わずに受け入れてきました。
それは車というモノを中心とした発想ではないでしょうか。
MaaSで実現されるのは、本質に立ち返って、「いつ、どこへ行きたいのか」という人のニーズを中心に据えた社会です。
移動という手段、目的までのプロセスの部分で悩まなくてもよくなる社会です。
まとめ的なもの
大好きなテクノロジー系の本なので、一気に読んでしまいました。
図や写真も多く、楽しんで読むことができました。また、MaaSカオスマップという、MaaS事業者を総覧できるものまでついていて、企業の勢力図としてもわかりやすいものになっています。
そして冒頭にも書いた通り、裏表紙には「Beyond MaaSーMaaSの、その先へー」と記されています。
現段階では、移動に関する企業と、ソフトバンクのような通信事業者がMaaSの中心です。
でも、MaaSにはその先があって、あらゆる業界がMaaSと接点を持ち、自らもMaaS事業者になるのだと言います。
カオスマップには、介護、観光、農業などが挙げられていますが、想像に難くありませんよね?
施設までの移動、観光地間の移動、収穫したモノの移動。
人がいれば移動が生じます。あらゆるものが、MaaSとは切っても切れない関係にあるのです。
これは、MaaSだけにまーすます楽しみな未来ですね。
冗談ばかりのエントリーですが、MaaSは冗談ではありません。
モビリティ革命の先にあるという全産業のゲームチェンジ、それに乗り遅れないよう、未来を見据えながら目の前の仕事に取り組みましょう。
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』×『メモの魔力』
読書の目的として、一つの知識を深めるために同じテーマで複数の本を読むことはよくあることだと思います。そういう読書は、異なる書籍の情報、知識を比較しつつ、情報を整理して知識を繋げ、深めていきます。
また、全く異なる目的で購入した異なるテーマの本の中で、一方はメインテーマで、もう一方は枝葉で、同じことについて語られていることがあります。そのとき両者の主張は、同じこともあれば異なることもありますね。いずれにせよ、複数の本の中で一つのことについて複数のアプローチによる解があって、読み手の中で深まりや閃きが生まれます。
今日はそんな読書間シナジーについて書いてみたいと思います。
『世界のエリート~』×『メモの魔力』
この組み合わせで考えてみようと思ったきっかけから。
『世界のエリート~』
『世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?』は、コンサルタントの山口周さんの著書です。サイエンス=ロジックがとても大事だというのがこれまでビジネス世界で常識として言われてきたこと。でも、実はそれだけではなくて、アート=直観力も大事ですよ、という主張が繰り広げられます。このアート、直感というものが美意識です。
山口さんは美意識と言っていますが、価値観、判断基準、色々と呼び方はあって、要は自分の軸を持っているか、どう作るかという問題。
『メモの魔力』
もう一方の『メモの魔力』ですが、こちらはSHOWROOM株式会社の前田裕二社長の著書。
メモを書き続けることで多くのことが見えてくる。それを気付かせてくれ、より効率的に、生産性の高いメモを書く方法を提案してくれます。
この前田社長は、自分の軸のことを「コンパス」と言っています。 人生の大海原の中で目指すべき方角を指し示してくれる。とても心強いものですね。
ついでにWEEKLY OCHIAI
今回の2冊から外れますが、1月30日のWEEKLY OCHIAI「学びをアップデートせよ」の中でも、美意識やコンパスに通じることを言っていたので紹介を。
落合先生によれば、ひとつのことをやっていく中で自分の軸ができると、他の分野の方との対談でも自分の立場を表明できる、と。
これも納得ですね。相手の話を抽象化して、自身の経験に置き換えて考えてみる。自身が経験を重ねる中で、軸である美意識が構築されていればこそ、初めて聞く話題に対しても対応がでるようになります。
課題は美意識、メモで解決
さて、『世界のエリート~』を読んで、美意識を鍛えなければ!と思ったものの、美術鑑賞などはなかなか気軽にはできないもの。まずどんな画家がいるのか、印象はとかキュビズムとかそもそもの基礎知識がないので、「見に行こう!」とはいきませんよね。
また、美術館へ足を運ぶのも、物理的にも時間的にも一定の制約がかかります。今年はムンク展やフェルメール展があるようですが、どちらも東京の美術館です。各都市を回ってくれるわけでもないですから、やはりこういうとき地方民は辛いのです。
加えて、美意識=判断基準と考えた場合、アート鑑賞以外の方法で鍛えられる方法もほしいところ。
そんな時にこそ『メモの魔力』が役に立ちます。メモにより、本当の自分を見つめなおすことができます。それは特別付録として最後に掲載されている「自己分析1000問」です。
これは前田社長が学生時代、就職活動の自己分析のために実際に取り組んだものだそうです。1000問全てやり切らなくてもかまいませんが、100、200問やってみると、自分を見つめなおすことができるでしょう。
この自己分析1000問は、幼少時から現在までの時間軸の中で、夢や自分や家族、友人についてひたすら問われます。この問いに答えていく中で、自分がこれまでどういう変遷を経て、今どういった軸が出来上がっているのか、ということが見えてくるでしょう。
さらには今をベースとして、どうなっていきたいのかというコンパスができあがる。『メモの魔力』に取り組むことで、『世界のエリート~』で書かれている「美意識」=「コンパス」を把握し、高めていくことができるのです。
まとめ的なもの
以前から読書と読書の間に生まれる読書間シナジーについて書きたいと思っていました。おそらく読書をする方なら誰しも経験することですし、読書の楽しみの一つでもあると思います。
体験として「これは!」というのは何度もありますが、そういった気付きを書いてみることは初めての試み。なかなか難しいものですね。
上手くできたかはわかりませんが、 これからは一冊の本の紹介だけでなく、このような「読書×読書」、「知識×知識」によって生まれる気付きについても書いていきたいと思います。
メモの魔力 The Magic of Memos (NewsPicks Book)
- 作者: 前田裕二
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2018/12/24
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世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか? 経営における「アート」と「サイエンス」 (光文社新書)
- 作者: 山口周
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2017/07/19
- メディア: 新書
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出世はサラリーマンの本懐なのか?
「出世は男の本懐だろ?」
これは『シン・ゴジラ』の中で松尾諭演じる泉修一が言っていた台詞で、主人公で長谷川博巳演じる矢口蘭堂(やぐちらんどう)の「泉も首相補佐官に内定している。君の好きな出世コースじゃないか。」という皮肉に対するものです。
映画の中での脈絡はともかくとして、この言葉、大好きです。
出世は男、というより組織人の本懐です。
ということを、今日は書いてみたいと思います。
組織はカリスマではなく歯車が動かしている
『シン・ゴジラ』はこれまでのゴジラとだいぶ毛色が異なりますね。
特撮映画というよりも、組織を描いたドラマで、まるで池井戸潤の小説のようです。
一応の主人公は矢口ですが、泉を含め多くの登場人物が、それぞれの組織で、自分の立場でできる最善を尽くす。
サラリーマン、組織人にとってこれほど燃える人間ドラマもありません。
組織人であることに誇りを
事実は小説より奇なり。
例えばある企業のイノベーティブな製品開発は、表面的にはカリスマ的な1人の経営者による功績のように扱われます。
しかし、本当はそうではありません。
カリスマ的な経営者が示したビジョンが、下へ下へと伝わり、多くの人が携わっている。
組織の歯車などと揶揄されることもありますが、大きな歯車がしっかりと噛み合っているということは、決して馬鹿にできるものではありません。
最近読んだ小説に『家康、江戸を建てる』があります。
これもタイトルには「家康」とありますが、フォーカスが当たっているのは現場レベルでした。
江戸を建てたのはまさに歯車たる組織人。
この小説も組織人を讃える物語のひとつです。
とは言え回す側に立ちたい
このように、『シン・ゴジラ』は組織の中の個人達を描いた物語だと理解していますが、やはり同じ歯車なら、より大きな歯車、さらには歯車を回す側に立ちたいものです。
小さな歯車が大きな歯車を回しているという事実は忘れてはいけませんが、回した歯車で何をするかを決めるには、歯車を回す側に立たなければなりません。
そういった意味では、泉こといずみちゃんの言う「出世は男の本懐」はとても納得感のある言葉。
サラリーマンとしての自分の立場に立って考えた時、やはりこれは胸に刻み、常に意識しなければならない価値観であると考えます。
これは、従うより指示を出す側でありたいという単純なことではありません。
普段会社に対して思うああしたいこうしたい、こうだったらいいのになんでこうしないんだ、皆さんも色々とありますよね?
単なる私利私欲ではなく、こうありたいという理想像。
理想は理想でしか無いというのはある種の諦めで、きっとこう思ってしまった時が、その人のサラリーマン、社会人、ビジネスマンとしての限界です。
難しいことは間違いない、それはわかってはいるけれど、それでも最善を尽くして、理想に向かっていきたいものです。
そして組織の中でそれを達成しようと思ったら、上に立つのが最もよいのです。
だからこそ、出世は男の本懐なのです。
文句があるなら出世しろ
組織の中で働いていると、日々、愚痴のひとつやふたつ、ありますよね?
それは口にしないほうがいいという人もいますし、溜め込むなという人もいます。
私は溜め込むな!側の人間です。
ただ、飲んで愚痴って、会社、社長、上司の悪口を言ってもよいということではありません。
その愚痴というのは、いつか自分が変えてやるんだ!という意思表示でなければなりませんし、愚痴の対象となる人がすべきであるという責務を任されたなら、やってやる!という意気込みがなくてはなりません。
だから、愚痴も文句も言えばいい、ただそれは自分が変えてやるぜ!という貪欲さが欲しいものです。
実際のところは上司だって社長だって、辛い立場だったりします。
そこを理解したうえで、責任を果たす為の権限を、自ら取りにいく。
言いたいことがあるんだろ?文句があるんだろ?じゃあ出世しろ!待ってるんじゃなくて、結果だせ!出る杭になれ!打ってくる金槌を破壊する杭になれ!
それが出世に貪欲と言うことですし、出世は男の本懐ということの真意です。
私は言いたいことは上司にどんどん言います。
課長に言うし、部長にも言います。
社長への直訴経験ももちろんあります。
中小企業では指示系統無視なんてザラですから、現場の部長から直接指示が来ることもあります。
そんなときも臆せず言います。
もちのろんですが、「言います、直訴します」と言っても、喧嘩ではありません。
当然礼は失しないように気を付けますけどね。
生意気だと思われているだろうなぁとは思いますが、言いたいことも言えない世の中じゃポイズン、ですからね。
文句を言ってもいいから、手は動かして、そして権利を手にしましょう 。
責任と権限を言って動いて取りに行った経験
そうして今のところ手にしているのが最短最年少係長です。
このエントリーでも書いていますが、 出世するためにはやるべきことがあります。
- モノを言う
- 案を出す
- やらないことを決める
- やりたいことだけやっていく
- アピールポイントを見せつける
この5つを柱として、組織に自分を反映するとか経験の数で精度も上がるとか、我ながらいいこと言ってるなと思います(笑)。
上記エントリーでひとつ言い忘れていることがあったのでここで加えておきます。
それは「上司を使え!」です。普通は上司が部下を使うものだと思われていますが、部下だって上司を使えばいいんです。
もちろん、礼は失してはいけませんけどね。
意見を上司だけでなく、さらに上げてもらう必要があります。
案だって上申してもらう必要があります。
やりたいことをやるために仕事を割り振りしてもらわなければなりません。
上司をしっかり使っていきましょう。
まとめ的なもの
さて、このエントリーを書くために再度『シン・ゴジラ』 を観ました。
iPadでいつでも映画をストリーミング配信で観られる。
よい時代になったものです。
改めて「組織、組織人」をしっかり意識して観ましたが、本当に面白い人間ドラマですね。
自衛隊の幕僚長である、國村隼演じる財津の「礼はいりません。仕事ですから。」という台詞、これもぐっときます。
本当にカッコいいですよね。
最近はスタートアップや起業がもてはやされる世の中です。
そういった生き方もカッコいいし憧れますが、サラリーマンだって全く捨てたものではありません。
やはり自分の意識次第だと、つくづく思います。
『これからの日本の論点 日経大予測2019』で日本の予習復習を。
『これからの日本の論点 日経大予測2019』読了です。
2019年の日本経済を予測する本ですから、本来2018年中に読んでおくべき本ですね。発売も10月25日ですので、ちょっと積読、暖め過ぎた感がありますが…。
2019年、日本の論点
さて、日本の論点を総論的に総ざらいすることで、2018年を振り返りながら、2019年の展望を考えていきましょう。
落合陽一先生も、1月頭に『日本進化論』を出し、ポリテック、クロステックなこれからの日本を提示してくれました。どれが正しいというわけではなく、いろんな日本の未来が可能性として存在しているということ。
なるかもしれないしならないかもしれない。でもそこにある課題を認識することは大切なことですので、こういったテーマは書籍でも新聞、雑誌でもかまわないので、読んでおくとよいでしょう。
やはり興味は「産業・企業」へ
私はサラリーマンですので、やはり興味があるのは「産業・企業」の論点です。おそらく多くの方は、この論点が読みやすく、興味を持って読むことができると思います。
ただ、『日本の論点』は「経済・金融」、「産業・企業」、「政治・国際」の三本柱で22の論点が展開されますが、「産業・企業」の論点は6つで、一番取り上げれる論点が少ないのです。
経済も政治も重要な論点ですが、経済は産業が回しているし、政治・国際についても今や武器ではなく経済上でのドンパチです。そんなわけで「産業・企業」の論点をもっと重要視してもらいたいところ。それにやはり消費者、読者にとっては最も近しいテーマですからね。
IT、ICTの周回遅れ感
「産業・企業」の論点の中でも、会社勤めのサラリーマンとして最も興味をそそられたのは、IT関連の論点12、13。これを読むと、どれだけ日本がIT、ICTに出遅れているのかがみえてきます。もはや、出遅れているどころか周回遅れだなとすら思えます。
ショックだったのが、2017年の時点でも、IT投資が「きわめて重要」と回答した企業が26%しかないという事実。アメリカでは2013年の時点ですでに75%に達していたということです。この26%という数字、実際に中小企業の中で働いていると、とてもリアルで納得できる調査結果だとおもいます。
中小企業ではいまだに手書き書類や紙中心の業務が至る所で幅を利かせています。いざIT導入となっても、従業員へ周知、理解のされていない、不完全で強引なトップダウンにより、熱は上がらず、使いこなそうというモチベーションが湧いてこないことが多いのではないでしょうか。
またCIO(Chief Infomation Officer)を置いている企業も、アメリカでは2013年の時点で既に74%あるのに対して、日本では2017年ですら22%にとどまっています。
CIOがこれだけ少ないということからも、IT、ICTへの関心や、必要性の認識もまだまだ薄いということですね。
最近は生産性向上をKPIとする企業も多いでしょうから、即効性のあるIT、ICTの導入は望むところのはず。それなのにこんな結果とは、驚きます。
次のメルカリはどこ?というか、現れるのか?
起業、スタートアップについても、増加傾向にあるとはいえ、日本ではなかなかハードルが高いようです。
ユニコーン企業という言葉も、最近耳にすることが増えたと思います。これは未上場ながら企業価値が10億ドルを超えている企業のこと。ユニコーンのように、現実にはお目にかかることのないような企業、というような意味だそうです。
現在ユニコーン企業は世界に260社ほどあるそうですが、その中でアメリカに121社、中国には77社あるそうです。そのような中で日本のユニコーン企業がどれだけあるかというと…。メルカリが上場してしまった今、日本国内のユニコーンはたったの1社を残すのみとなってしまったそうです。
このような状況を打開するかもしれないのが、孫正義率いるソフトバンク・ビジョン・ファンド、通称10兆円ファンドです。ただ、これも現在のところは日本の企業は入っておりません。
昨年参加したソフトバンクワールド2018における孫さんの基調講演でも、ビジョンファンドが出資するDiDiとヘルスケアアプリの会社の経営者がプレゼンしていました。
日本の企業であるソフトバンクが、国内にめぼしい投資先がないと考えているということなので、ちょっと寂しいです。でも、ソフトバンクからの出資が得られれば、ユニコーン企業の仲間入りに向けて非常に心強い味方になります。いつか、ソフトバンクワールドの基調講演の中で、日本の企業が紹介される日が来るといいですね。
やはりDeath by Amazon
論点15は、「Amazonだけではない」と、流通、小売の明るい未来を提示しているようで、Amazonが申請している新しい特許による新たな脅威も指摘しています。私はこれを読んでますますDeath by Amazonな小売の未来を思い浮かべました。
どのような特許かというと、出荷予測アルゴリズム。つまり、購入履歴のデータから、この顧客はそろそろこれを注文するだろうと先回りして手配し、実際に購入したら直ぐに届けられる、というもの。
消費者視点ではこんな便利なものはないですが、ますます自宅からでなくなり、リアル店舗の小売店は苦しい立場に追い込まれそうですね。
最近言われ始めたことでもないですが、やはりAmazonはただのネット小売ではありませんね。エブリシングストアとして最良の結果を得るための極度に最適化、効率化されたプロセス構築に対するあくなき挑戦。Amazonは大きくなっても、どこよりも貪欲にビジネスを追求しています。
もはや誰もが知るところですが、ワンクリック購入もAmazonの特許ですね。他の小売業で、これほど知財戦略を駆使する企業ってあるのでしょうか。
まとめ的なもの
日本の論点、日経大予測、全体を通しての感想としては、やはりアメリカの動きにより左右されるところが大きいなと。それに加えてGDP世界2位の中国の動きも気になるところ。経済大国というだけでなく軍事大国ですし、地政学上油断のできない国です。
既に米中は関税を使ったチキンレースが繰り広げられていますし、米朝の関係が近づけば、ますます米中関係は不安定になり、間にいる日本も巻き込まれます。
またつい先日、日ロ首脳会談が行われましたが、やはりプーチン大統領が主導権を持っているという印象を抱かずにはいられません。日本は強く出るためのカードを持ち合わせていないのです。
日本も失われた30年を克服して、真に自立した国になっていかなければ、今後も米中ロ等の影響下から逃れられないのかなと感じました。